農産物への投資の効用について

みなさんこんにちは。

今回は農産物に投資することの意味や、
資産運用における位置づけなどについて、
少し考えてみたいと思います。

ここのところ世界中のアチコチで相場が荒れて
いますね。

日本株、新興国株、為替、債券、ヘッジファンド、
貴金属・・・

いろいろなものの値段が右往左往しているようです。

急にあがったものが、急に下がる・・・これは不思議なこと
ではなく、むしろ自然ななりゆきだと思うのですが、
資産を運用する側としては、決して心地の良いものでは
ありませんね。

では私たちはこのような短期の相場振動を避けることが
できるのでしょうか、そしてもし避けられるとしたら、
どのような方法が有効なのでしょうか。

まず私は短期の相場振動を避けることはできると
考えております、そして具体的な手法として、以下の2つの
考え方があると思います。

まず一つ目は、ある意味当然ではありますが、短期的な経済振動の
影響を受けにくい金融商品を買っておくという方法です。

これは現物の不動産をあげてご説明すると
わかりやすいかもしれません。

現物の不動産は流動性に乏しく、一つの物件が
成約するまで一般的に数ヶ月ほどかかるといって
よいでしょう、逆にいえばそれだけマネーの出入りが
緩やかで、経済の短期振動に追随して敏感に相場が
変動するということはありません。

あるいは収集用のコインも同様で、
お金の出入りが緩やかなぶん、経済の短期的な
振動に引っ張られて相場が激しく振れるなどという
ことは、まずありません。

従ってこのような資産を一定額持っておくことにより、
皆さんの資産を短期の経済振動に引っ張られない、
『ゆるやかな価格変動体質』に変えてゆくことが
できると思います。

経済の短期振動を避けるための二つ目の方法は、
経済の振動とは異なったロジックで動く金融商品を、
もっておくことではないでしょうか。

代表例が冒頭の穀物をはじめとした農産物で、
これら商品カテゴリーの値動きは、経済情勢よりも、
むしろ世界の天候に依存する傾向が強いと言ってよいでしょう。

日銀の異次元緩和や米国のQE、
あるいは欧州の債務不安など、たしかに昨今世界経済の変動要因は
大きくなっておりますが、こと農産物に限って申し上げれば、
経済の世界の出来事は、さほど重要ではありません。

むしろ南米や米国、オーストラリアやロシアといった
穀倉地帯の天候のほうがよほど重要なわけです。

先ほどの現物不動産やコインと同様、
穀物を主体とした農産物を一定額保有することにより、
皆さんの資産は経済の短期振動の影響を、受けにくく
することができると思います。

ただ穀物に関して申し上げれば、購入時期と売却時期。
特に購入時期が運用成果に大きな影響を及ぼします。

穀物の収穫は年に一度っきり(注)・・それを一年間かけて
世界はゆっくりと消費してゆくことになります。

注)地球規模で申し上げると年に2回ではありますが、
ここはお話しを簡単にするために・・

これはどういうことかといいますと、例えばその年の不作が
予想された時点で相場は急騰し、その後一年かけて緩やかに変動、
テーマは徐々に翌年の収穫量に移ってゆきます。

つまりその年の凶作を言い当て他人を出し抜けば、
大きな収益をあげることができるというわけです。

ギャンブル体質の方にとっては、これはひとつの楽しみ
かも知れませんが、一般の方からみれば、いくら
経済の短期振動から解放されるからといって、不作を予想した
丁半ばくちは、別の意味でリスクが高すぎるといってよいでしょう。

ではギャンブルを好まない、いわば一般の投資家は、
どのようなタイミングで農産物を買えばよいのでしょう。

小麦やトウモロコシ、大豆などの長期価格の推移を
みておりますと、『豊作予測を織り込んだ安値圏』の
ようなモノがあるように僕は思います、例えば大豆で
いいますと2008年後半から2010年央まで、あるいは
2011年後半の相場がこれに該当します。

何年か豊作が続きますと、市場参加者はすっかり
それに慣れてしまうのかもしれませんね。

もしこの『豊作予測を織り込んだ安値圏』に買うことが
できればどうでしょうか・・・たとえ凶作の読みがはずれたとしても、
もともと相場は安値圏にありますので損失は限定的、
逆に凶作予想が当たればリターンは大きい・・・

従って穀物のカイの時期は、秋の収穫に豊作サインが
でたとき、言い換えれば夏前の受粉時期の天候安定を
待ってから、ということになるのではないかと思います。

 

では、今回はこのへんで。

(2013年6月20日)


 




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