■自分が考えるリスクにみあったポートフォリオを持っているか
みなさんこんにちは。
特に一定額以上の資産をお持ちの方にとって、
資産を一か所に集めておくことは、とても危険なことだと
私は思います。
だからといって、ただただ分散しておけばよいのかと言いますと、
それもまた違うような気がします。
たとえば1億円の資産をお持ちの方が、
以下のように資産を分散させていたとしましょうか。
・現預金 3000万円
・個人年金保険 3000万円
・株式(外国株) 1000万円
・債券(日本国債) 3000万円
一見すると
□一定の流動性を現預金で確保しつつ、
□債券と個人年金で安定的な収益をめざし、
□なおかつ外国株で高い収益と同時に地理的な分散も
意識している、
このように、なかなかバランスのいい分散のようにも
みえます。
実際の運用の現場でも、私はよくこのような
ポートフォリオを目にしますが、よくよく考えてみますと
気になる点もあります。
例えば個人年金保険です。個人年金は生命保険会社が運用
する金融商品ですが、年金としての性格上、保険会社は
加入者から集めたお金の大半を、長期(あるいは超長期)の
日本国債で運用しているといってよいでしょう。(注)
注)最も一般的な確定給付型商品を想定しております
つまり原資産は日本国債です。
ではほかの資産はどうでしょうか、
この方はほかにも日本国債を3000万円お持ちですので、
この方が保有している日本国債は、上記個人年金保険と
あわせ6000万円ほどになるわけです。
『ご自分がつくるポートフォリオは、
ご自分が考えるリスクを反映するべきだ』
私は常々このように考えております、
仮にこの方が日本国債や日本の財政状態に対して全幅の
信頼を置いているなら、私はこの方の資産配分は間違って
いないと思います。
逆にこの方が日本の財政に対して、
一抹の不安をお持ちになっており、将来の財政破たんを
少しでも懸念されておいでなら、上記のポートフォリオには
問題があると思います。
・資産全体の60%が日本国債、もしくは日本国債を原資産として
運用する金融商品で占められている点。
・さらに現預金を加えると、資産全体の90%が日本の財政状態に
大きく依存する金融商品で占められている点。
まず上記の2点において、この方のポートフォリオは、
我が国の財政上のリスクを想定した構成になっているとは
言えません。
一方でこの方がそのようなリスクを想定されて
いたらどうでしょうか・・・
この方はいま『ご自分がつくるポートフォリオが、
ご自分が考えるリスクを反映している』とは言えない
状態にあるといってよいでしょう。
この状態を放置しておきますと、以下のうち
いずれかの状態が訪れることになります。
一つ目は、お手持ちのポートフォリオが、ご自分が
想定するリスクを反映していないというストレス・・・
そのストレスに耐えつつ送る日々。
二つ目は、いつかご自分が想定したリスクが現実に起き、
無防備なポートフォリオは、起きた現実の揺れの大きさに
応じた被害を受ける。
上記では日本の財政破綻をリスクの事例として考えましたが、
私たちをとりまくリスクはこれだけではありません。
リーマン・ショックのように海外発の金融ショック、
欧州債務不安のような海外で起きる財政危機、
あるいは国内で起きる大規模な災害・・・
仮にこのようなリスクを皆さんが想定されるなら、
皆さんの資産配分もまた、それを反映してもので
あるべきではないでしょうか。
では、今回はこのへんで。
(2013年7月23日)
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