■あれから早や5年
みなさんこんにちは。
僕はいまでも鮮明に覚えています・・・
日曜日のお昼、NHKニュースのトップで伝えられた
リーマンの破たん。
それ以前からも世界経済は騒然とした雰囲気の
なかにありましたが、あの一件で経済危機は異次元の
段階に入ったといってよいでしょう。
あれからはや5年。
中国の4兆元支出、
米国の3度にわたる巨額QE、
欧州の無制限ユーロ供給の決定に、セーフティ・ネット。
日銀の異次元緩和。
この間世界が歩んだ道もまた異次元の道のりでしたが、
ようやく世界は5年前に始まった未踏の危機から、脱出しつつ
あるといってよいのではないでしょうか。
未曽有の危機から脱出するための、やむにやまれぬ異次元の
対策ではありましたが、それがゆえ世界はこの5年間、新たな
危機の芽を蓄積してきたような気もします。
なにより気になるのは、実体経済とペーパーマネーの
バランスの悪さです。
例えば日米欧の中央銀行の資産規模は、この5年間で
約2倍に膨らみましたが、逆に言えばそれとほぼ同規模の
ペーパーマネーが市場に供給されたといってよいでしょう。
マネーを動かすのは主に人間の欲望です。
人間の欲望はつまるところ際限がなく、しかも短期で
結果を求めがち・・・
現物資産もまた人間の欲望によって、その供給量が増加する
という考えもありえますが、その増え方は緩やかです。
例えば穀物の生産量を例にとるとわかりやすいかも
しれません、消費量が増えたから生産を増やそうとしても、
耕作地の開拓や水の供給、品種の改良など、どれ一つをとっても
数年という単位で物事を進めなくてはなりません。
あるいは例えばプラチナの消費量が増えそうだといっても、
鉱山の探索から掘削、さらには電力供給体制の確立など、
これもまた数年に及ぶ準備が必要なはずです。
つまり上記のように現物の経済の増加は、
長期にわたる人間の忍耐力に依存するといって
よいでしょう。
これに対してマネーはどうでしょうか。
もちろん長期的な収益を求める年金のように、
品の良い投資主体もいるのでしょうが、一方であいかわらず
数分、数秒といった、せつな的な収益機会を基盤にする
投資主体も大勢いるわけです、大勢いるというより
マネーの総量が異次元状態にある現状で、むしろ
彼らは確実に増殖しつつあるようにもみえます。
このようにして時間軸のずれた実体経済とマネー。
実体経済の拡大を待てないマネーは、時に現実の
世界でバブルをお越し、あるいは逆に急に退出してバブルを
崩壊させる。
さらに悪いことにマネーが起こすバブルの崩壊は、単に相場の崩壊に
とどまらず、マネー自らの生みの親である、金融システムそのものに
衝撃を与える場合もある・・・前回のリーマン・ショックのように。
言いかえればマネーの総量の増加によって、ますます世界経済は
不安定さを増しているといってよいのではないかと思います。
おそらくこの傾向はこれからもっと顕著になって
いくのではないでしょうか。
このような世界で私たちがはどのようにして
自らの身を守ればよいのでしょうか。
いくつかあると思いますが、その一つは現物の資産を
適切な時期に購入し、なおかつ維持し続けることでは
ないかと思います。
つまり増えすぎたマネーの対極にある現物へ、
資産を移動しておくという考え方です。
少し長くなりましたので、
今回はこのへんで。
(2013年9月17日)
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