行きはよいよい、帰りは・・・

みなさんこんにちは。

大方の関係者はQE縮小を予想していましたので、
先週のFOMCの決定は、予想外だったといえるでしょう。

世界はQE縮小の難しさを再認識したのではないでしょうか。

すでに先進国は、どこもかしこも財政赤字に悩まされており、
景気の後退期といえども、大がかりな財政出動を
行うことは難しくなってきているといえるでしょう。

従って景気後退期において当局がとりうる選択肢の主役は、
金融政策、いいかえれば流動性の供給(QE)と、
低金利政策にならざるをえません。

もはや先進国は、景気後退のたびQEと低金利政策を
繰り返さざるを得ない状況に陥ってしまったといって
よいでしょう。

一方で景気回復期にその逆の政策・・・言い換えれば
QEを縮小したり、さらにそこからQEを停止することの
難しさを、先日のFOMCの結果は物語っているのかもしれません。

QEを縮小することすら困難な状況において・・・

FRBはいずれはQEを停止し、
そこから金利を上げ、
さらにその上で、かつて市場に供給してきたマネーを、
今度は逆に回収しなくてはなりません。

QE縮小という、いわば一連の作業の第一段階で躊躇している
状態で、FRBはいつになれば上記のような、正常化ステップ
を完了することができるのでしょうか。

一方で景気はそもそも循環モノです。

今回の米国の景気回復は2009年7月に始まっていますので、
すでに50か月近く経とうとしているわけです、このままでは
一連の正常化作業を完了する前、ヘタをすればQEの継続中に
景気後退期に入り、再びQEの拡大を実施せざるを得ない
状態に追い込まれる可能性すらあるのではないでしょうか。

かくして市場に供給されるマネーは拡大を続け、
紙幣の価値はますます希薄化する・・・

増殖したマネーは人間の欲望を駆り立て、
リアルの世界をより不安定なものにする・・・

過去と未来の間に断層がないという保証は
ありません。

やむにやまれぬ非常手段とはいいながら、
まったく先の読みづらい、未踏の領域を私たちは
歩き始めたのかもしれません。

 

では今回はこのへんで。

(2013年9月24日)



 




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