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欧州が回復すると

みなさんこんにちは。

私はそろそろ来年の相場について考えています。

米国のQE縮小、
中国の成長鈍化、
日本の復調・・・

確かにこれらは、来年の相場を考えるうえで大きな材料だと
思いますが、来年は久しぶりに、欧州経済が一つのテーマになる
と思います。

ご存知のように、2009年末に明るみに出たギリシャの
債務問題から、EUの経済は長い長いトンネルに入りました。
が、朝の来ない夜はありません。

ここ数年、遅いながらも進んだセーフティ・ネットの整備の
効果もあり、今年の4-6月期、EU経済はようやくプラス成長
に転じました。

ギリシャ支援の必要性はまだ残ってはいますが、
概ね欧州は問題を克服したといってよいでしょう。

では仮にこのまま欧州経済が緩やかに回復し、
例えば来年、IMFが予想するように1%程度の成長を達成したなら、
世界経済や相場にどのような影響を与えるのでしょうか。

重要なのは、世界にとってここ2年続いた負荷が無くなり、
むしろ弱いながら逆に欧州が牽引材料になるという点です。

EUは世界第二の巨大な経済圏ですので、このプラス・マイナス
は大きいと思います。

特に影響を受けるのは中国だと思います、中国の最大の貿易
相手はEUですから、この上下1%、合計2%の効果は大きいといえる
でしょう。

もちろん世界経済はつながっています、対中貿易依存度の
高いASEANも、連鎖的に好影響を受けるはずです。

このように欧州回復の好影響は中国からASEAN、そして
世界へと広がってゆくと予想されますが、もちろんEU域内
の金融商品や相場には、より直接的な好影響を与えることに
なるでしょう。

例えば株です、すでにドイツやイギリスは過去最高値圏ですが、
来年はもう少し地域的な広がりをみせるのではないでしょうか。

通貨も同様です、対円で随分戻してきましたが、
ユーロやスイスフランなどの上昇余地はまだあると思います。

商品相場に与える影響も無視できません、
特にプラチナやパラジウムです。

主に欧州で生産されるディーゼル・エンジン車で使用される
プラチナは、もちろん欧州回復の直接的な影響を受けるでしょうが、
プラチナ相場の上昇によって、その代替需要がパラジウムで
発生する可能性があります。パラジウムにとっても欧州復活は
いいニュースになるでしょう。

もちろん冒頭のように、欧州経済は来年のテーマの
一つにすぎません、ですから現実には他の問題とあわせ、
総合的に相場予想を展開してゆく必要があるわけです。

ただしそのような点を踏まえても、来年の相場には上記のような
傾向が出やすいと見ておくべきではないかと私は思います。

 

では今回はこのへんで。

(2013年11月1日)




 




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