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商品先物取引と商品インデックスETF

みなさんこんにちは。

私の事務所には、いろいろな人がお越しになりますが、
ときどき「商品インデックス型のETF」のお話しをすると、
「それってとっても危ないヤツでしょ?」とおっしゃる
方がおいでです。

特に60歳前後の人が多いように思います。

この年代の方は「小豆(あずき)の先物取引」などで
ずいぶんと手痛い目に会ったようですね。

なかには商品先物取引で、そのむかし1000万円近い損失を
出した人もおいででした。

そんな方に対して私が『貴金属のETF』や『農産物のETF』
のお話しをしますと、当時の苦い経験が戻ってくるらしく、
ハナから受け付けようとしない方もおいでです。

このメルマガをお読みの方の中にも、
きっとそのような方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は「商品先物取引」と「商品インデックス型ETF」の
違いについて、少しお話ししてみたいと思います。

まず私たちが注意しなくてはならないのは、
前者(「商品先物取引」)が証拠金取引である点です、
商品ごとレバレッジの上限はありますが、一般に差し入れる
見せガネ(証拠金)は投資額の5%〜10%でOKです。

FXの証拠金取引と同じく、成功すれば膨大な利益を
上げることができる一方、予想が外れると
証拠金の全額を失うばかりか、証拠金の追加差し入れを
迫られることになります。

まさに往年の「小豆の先物」と同じで、
極めて高リスク、高リターンな投資手法といって
よいでしょう、しかもゼロサムです。

ゼロサムとは勝者の儲けの合計と、敗者の負けの合計が
一致するゲームのことす。

ゼロサムの世界では、一部の超ラッキーなひとの手元に
儲けが集中し、大半の参加者は負けてしまうことが
知られています。

当然ながら全ての参加者が、勝ち組になることを目標にゲームに
参加しますが、現実はそれほど甘くはありません。
勝ちと負けの差(すなわちレバレッジ)が大きくなればなるほど、
一握りの勝者に富が集中する傾向もまた強くなります。

つまり負け組が増えるということです。

もし皆さんが商品先物やFXの証拠金取引を始められるなら、
このような統計学的現実を、あらかじめ理解したうえ
参加されるべきでしょう。

これに対し「商品インデックス型ETF」はまったく違います、
例えば「金ETF」に投資する場合、仮に金価格が10%下がった
としても、あなたの損失も10%(注)にすぎません、
逆に10%上がったら10%の勝ちです。

注)手数料や信託報酬は除きます。

これはどういうことかと言いますと、レバレッジが
かかっていないということです、投資家は投資額の
範囲のなかで損失を出すにとどまり、ポートフォリオの
他の部分まで侵食されることはありません。

二つ目の違いは、「商品インデックス型ETF」は
決してゼロサムではないという点です。

例えば今後世界の人口増加や富裕化が進めば、
大豆やトウモロコシなど穀物の需要は増えますので、
参加者全員が収益を得るということもあるわけです。

もし皆さんがコモディティ相場での運用をお考えなら、
少なくとも上記のような「商品先物」と「商品インデックス型ETF」
の違いについてご理解頂いたうえ、取り組まれるようにして
ください。

 

 

では今回はこのへんで。

(2014年1月14日)




 




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