中国の経済成長と日本

みなさんこんにちは。

先日中国当局が発表した、2013年通年のDGP成長率は7.7%でした。

数年前まで中国は、雇用を維持するために最低8%の
経済成長が必要だといってきましたが、これで2012年・2013年と
2年連続で8%を割れたことになります。

最近中国の当局者やマスコミは、「経済の規模が大きくなって
きたので、7%半ばでも雇用を吸収することができる」
というふうに微妙に表現を修正してきました。

つまり経済の規模が大きくなることによって、
成長率は低くても問題ないとの主張ではありますが、
これってどうなのでしょうか。

確かに経済規模が大きくなれば、成長率が同じでも
毎年生み出される付加価値の増加額は大きくなります。

でもよく考えれば、国民一人を雇用するために必要な賃金もまた、
増えているはずです。

つまり経済の規模が大きくなることによって、
雇用の吸収のために必要とされる経済成長率が
低くなるという説の根拠は、薄弱ではないでしょうか。

このような理由で私などは、『7%台OK説』が中国当局の
詭弁ではないかと思うわけです。

しかも2013年の7.7%成長の寄与度をみますと、
投資の寄与度が54%にも達している一方で、
消費の寄与度は50%に過ぎません。

イメージとしては本来の実力値が5%程度、
これに公共投資を積み上げてようやく7%台半ば、
これが中国の経済成長の実体ではないでしょうか。

この上げ底状態を維持するためには、特に地方政府による
インフラ投資を継続せざるを得ないわけですが、
シャドーバンキング問題や、それと連動して進行する
地方政府の債務問題もあり、すでにこの『上げ底作戦』は
限界が見えつつあるといってよいでしょう。

昨年来中国当局は7%台半ばの成長で可としていますが、
これは7%成長を目指すということではなく、7%成長を
受け入れざるを得ないほど、中国は追い込まれているという
ことではないでしょうか。

雇用を犠牲にし・・・つまり民衆の不満の蓄積を
覚悟のうえ、7%成長を受け入れる・・・

これは中国にとってかなり危険な選択肢ではないかと思います。

果たして彼らは民衆の不満を抑え込むことが
できるのでしょうか。

それともいつものように大衆の不満を国外に誘導する、
安易な戦術をとるのでしょうか。

このような観点で、中国の経済政策はすでに国内問題ではなく、
我が国をふくむ近隣諸国に多大な影響を及ぼす問題と
いってよいでしょう。

岐路に立たされた中国の経済政策は、
今後も注意十分してみておく必要があると思います。

 

では今回はこのへんで。

(2014年1月21日)




 




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