今年後半起きそうなこと

みなさんこんにちは。

市場ではほとんど話題に上りませんが、
今年の世界経済を見渡してみますと、
特に年の後半あきらかに起きそうなことが
いくつかあります。

いずれも私たちにとって大きな影響が
あることです。

一つ目は米国の利上げ観測の顕在化です。

リーマン・ショック以降、米国の中央銀行である
FRBはゼロ金利政策を続けてきました。

ゼロ金利政策は、QEと呼ばれる量的緩和策とならび、
景気を回復させるために行われた政策ですが、
両者はまったく別物です。

QEが市場に供給されるマネーの量をいじる政策なら、
ゼロ金利政策のほうは金利水準をいじり、
ゼロ近辺に短期金利を誘導する政策です。

FRBはこの二つの金融政策を動員することにより、
危機の回避にあたってきたわけですが、昨年末の会合で、
いよいよ前者即ちQEの縮小を決定いたしました。

昨年央から当時のFEB議長のバーナンキさんは、
たびたび公の場で発言し、徐々にQE縮小を織り込ませる
努力をしてきましたが、相場のほうが先読みし、特に新興国
資産が乱高下したのは記憶に新しいところです。

昨年や、あるいは年初早々の新興国資産の混乱を
みていますと、米国の金融政策が世界に与える影響の
大きさを感じないわけにはゆきません。

昨年市場を揺らしたのはQE縮小観測ですが、
ことし問題になるのはゼロ金利政策のほうでしょう。

不思議なことに、市場では米国のゼロ金利解除が
話題に上ることはあまりありません。が、FRBは利上げの
タイミングとして「失業率が安定的に6.5%を下回り、
なおかつ経済の諸要因を分析しながら」という趣旨の
発言をしています。

おそらくこれは現議長のイエレンさんの
考え方と一致しているでしょう。

直近発表の米失業率は既に6.6%ですが、このペースで
いきますと、今年の春から夏ごろには6.5%以下の
水準まで下がりそうです。

「経済の諸事情を総合的にみて判断する」という趣旨から推測し、
6.5%ギリ即利上げではありませんが、例えばもし10月あたりに、
米国の失業率が6.2%台に下がるとどうでしょうか・・・

昨年央バーナンキさんの発言によって市場は随分
荒れたように、相場は先を読んで動くものです。

やはり米国のゼロ金利解除は、今年後半の
相場かく乱要因として意識しておく必要が
あると思います。

今年後半を考えるうえで、もう一つ重要なのは
日銀によるQE縮小観測で、これも日本人にとっては
要注意でしょう。

昨年の3月に日銀総裁に就任した黒田さんは、
2年以内に2%を目指すとのインフレ目標を設定しました、
その後実施した強力なQEも奏功し、徐々に物価は上昇、
直近では1.3%までインフレ率が高まってきました。

我が国はすでにデフレから脱却したといってよいでしょう。

インフレ率2%の達成の可否についてはいろんな考え方が
ありますが、例えば今年の秋口あたり、消費税引き上げを
乗り越えて、インフレ率が1%台後半に達するようなことが
あればどうでしょうか・・・

黒田さんはインフレ率が2%に達しても、安定的に
その水準を維持するまでQEを維持する趣旨の
発言をしていますが、上記のように市場は
先を読みます。

もちろんその時点の世界や日本の経済の
強さにもよるでしょうが、例えば昨年新興国資産で
起きたような、市場の動揺を想定しておくに越したことは
ないでしょう。

日銀のQE縮小と、米国のゼロ金解除・・・

いずれも今年後半の相場かく乱要因として、
意識しておくべきだと私は思います。

 

では今回はこのへんで。

(2014年2月12日)




 




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