私たちはなぜ現物資産を求めるのか

みなさんこんにちは。

投資とはいったい何なのか・・・
僕はよくこんなことを考えます。

投資とは・・

現金や預貯金から、資産的な価値があると
される別の形態の資産へお金を移動させ、
そこから一定以上の収益を上げようとする行為。

多分これが一つの回答ではないかと思います。

もし収益を上げることの代償がゼロであれば、
みんな(当座必要なお金を除き)、全てのお金を
投資に回すことになるはずです。

が、現実にはそのような人はまず居ません、
なぜなら投資には価格変動という代償が
伴うことを皆知っているからです。

つまり人は無意識のうちに、得られる収益と、
その代償として負うべき価格変動を天秤にかけ、
投資行動を決定しているといえるでしょう。

株は価格変動が激しく、債券は安定的・・・
株の収益率は高いが、債券はそれほど儲からない。

このように価格変動と収益性を比較し、
人は投資行動を決定しているというわけです。

以上のことは資産運用の教科書の第一章に書かれて
いる基本ですが、私はそれほど単純ではないと
思っています。

なぜ私たちが不動産や貴金属など、いわば現物資産を手に
したとき、言葉で表現できない一種の安心感にひたる
ことができるのか・・・不動産や貴金属などにも一定の
価格変動リスクがあるにも関わらず。

それは人は価格変動というリスク以外に、
資産を評価する別な基準を持っているからだと
私は思います。

私たちは手にできないもの、目にすることが
できないものに対して、無意識的に「消失の不安」を
持ってはいないでしょうか。

例えば先日起きたビットコインの消失事故、
あるいはネットの口座で次々起きる詐欺事件。

ネットの技術はどんどん高度化していますが、
同じ速度で悪意の技術も高度化しているようです。

確かに私たちの生活はネット化で便利になりましたが、
一方でペーパーマネーは、このような「消失の不安」に
さらされ続けているといえるでしょう。

もちろんさほど頻繁に起きるわけではありませんが、
万一起きてしまった場合のショックは甚大です。

人は無意識のうちにペーパーマネーから、
僅かながらも精神的なストレスを、日々受け続けている
のではないでしょうか。

さらにはペーパーマネーには発行体の破たんという
究極の価格変動を伴うケースもあり、その点でも
ストレスの源になっているといえるでしょう。

あるいは先進国中心に、QEと呼ばれる流動性供給策
が常態化した結果、世の中に供給される紙幣の
量は急増しつつあります、これもまた私たちが
ペーパーマネーに対する信頼を失う理由の一つに
なりつつあるように思います。

このようなペーパーマネーとの比較感で、
私たちは不動産や貴金属などの現物系の資産のなかに、
心の安らぎのようなものを求めているのかも
しれませんね。

 

では今回はこのへんで。

(2014年4月22日)




 




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