■今年後半の日本株
みなさんこんにちは。
雨の季節が始まり、
今年も後半に入ろうとしています、
早いものですね・・・
この時期になると、僕はいろんな人から年後半の
相場について聞かれます。
今回のメルマガは、今年後半の日本株について
少し考えてみたいと思います。
結論から申し上げますと、僕は日本株に対して
結構強気です。
理由は5つほどあります。
まずは2012年まで続いた円高訂正による
企業業績の改善です。
円安効果(僕は円安とは思っていませんが、
ここでは解りやすく)は前期(2014年3月期)で既に
出尽くしており、今年は業績への寄与は小さいという声
も耳にしますが、僕はそのようには思いません。
たしかに円安は輸出型企業にとって、一時的な売り上げの
増加の要因です、ただし仮に対前年比での円安が止まってしまえば
それっきり、為替相場をテコに企業業績がさらに拡大するという
ことはありません。
でもどうでしょうか。
このような一時的効果以外にも、
遅れてやってくる効果があるのではないでしょうか。
例えば人材への投資や教育、
あるいは製造設備の更新、
ITインフラへの投資、
研究開発などなど
超円高時代には、企業は資金的な余裕がなく、
このような投資を先送りしてきた面があると
思います。
このことによって短期間のうちに、企業が競争力を
失うというものではないでしょう、ただし長らく続いた
超円高時代に、少しずつ企業の活力を奪ってきたことは
間違いないはずです。
でもこれからは違います、資金的に余裕が生まれた企業が、
積極的に投資を行うことにより、すこしずつ企業の競争力が
高まるという効果も期待できるのではないでしょうか。
二つ目は意外に小さかった消費税増税の影響です。
今年の日本株は年初来下げ続けましたが、
ちょうどその時期は、消費税増税の影響が懸念された
時期と重なります、1998年型の景気後退期入りを
危ぶむ声もこの時期よく耳にしたものです。
1997年当時との経済環境の違いに目を凝らさず、
ただ雰囲気に押し流された投資主体も多かったのでは
ないかと思います。
日本株に関しても、増税の影響を過度に織り込みすぎた
反動がでてくるのではないでしょうか。
三つ目は日本の年金機構(長いので正式名称は省きます、
以下GPIF)による、株式配分比率の引き上げ見通しです。
これに関しては安倍さんの意志が随分働いている
ように思います、安倍さんにとっては株価上昇は
あるいみで生命線です。GPIFへの圧力は、手っ取り早く
日本株をあげる手段として有効ではないかと思います、
折しも日本国債の下落も市場で懸念が広がりつつあり、
その点も日本株比率の引き上げには説得力があります。
GPIFによる日本株組み入れ比率は現在12%
にすぎませんが、おそらく15%程度まであげるのでは
ないかと思います、GPIFの運用資産全体で約130兆円ありますので、
この3%アップは約4兆円に相当します。
2013年の外国人による日本株買い越し額は約15兆円でした、
これに比べるとやや小さい感じもしますが、それでも4兆円は
ばかにできません、GPIFマネーの流入を見越した、
外国人マネーの流入もまた期待できますので。
四つ目は日本企業の業績発表にみられる特徴です。
一般に企業の経営者は、期中における業績の下方修正を
嫌います、これはどういうことかと言いますと、期初に
発表される来期の予想はやや弱めの数字で、
かなりハードルの低い予想と言えるわけです。
このようにして、一般的に企業の業績予測は
期が進むにつれ、上方修正されることがよくあります、
今期もこのパターンになっても不思議ではありません。
五つ目は法人税率の引き下げの動きです。
今月末をめどに取りまとめられる骨太の方針に、
法人税の引き下げに関する具体的な数字が、
盛り込まれる可能性が出てきました。
引き下げの幅や時期によって、市場の反応は随分違った
ものになると思いますが、それでもポジティブ
に市場が評価する可能性もあると思います。
以上長々と日本株上昇予想の材料についてお話しして
参りましたが、逆に悪い材料もあります。
例えば欧州や中国の成長鈍化懸念です。
特に中国は大きな景気対策を打ちづらい状況にあり、
今年の成長目標7.5%を危ぶむ声が聞かれます。
ただ僕は同国が7.5%を大きく下回る成長を容認する
ことはないと思います、同国にとって経済成長は
私たちが考える以上に重要で、多少の犠牲に目をつむり、
このラインは死守することになるでしょう。
欧州は少し心配ではありますが、世界経済への寄与度という
意味で、もともと同地域への期待は大きくありません、
つまり水面上ギリギリあたりの現状で、十分という見方で
よいと思います。
欧州と中国が今の見通しを大きく下回らない限り、
上記日本株への5つの支援要因は、そのまま
日本株の上昇要因として機能する可能性が高いのでは
ないでしょうか。
上値のめどについて書くことはいたしませんが、
上記のような理由で、僕は年後半の日本株に対しては
結構強気でおります。
では今回はこのへんで。
(2014年6月12日)
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