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今年後半の米国株

みなさんこんにちは。

先日このメルマガで、今年後半の日本株について
少し考えてみました。

引き続き今回は、米国株について考えてみたいと思います。

株価の妥当性を考える場合、PER(株価収益率)は
有効な尺度の一つではないかと思います。

現在のニューヨーク・ダウ指数構成銘柄の平均で
みると、PERは約15倍程度ということになります。

PER15倍は高すぎもせず、かといって低すぎもなく、
まあ言えばちょうどいい湯加減といったところでしょうか。

確かに米国株は史上最高値圏にはありますが、
PERからみると、いまの米国株は決して高すぎる
ということはなく、米国経済の実力を反映した妥当な水準
にあるといってよいでしょう。

仮に今期(2014年度)の米国の企業業績が10%程度の増益
になるとすれば、今年下半期の米国株もまた、
ここから数%程度の上昇余地があるといえるでしょう。

ただしいくつかの点で注意が必要だと思います。

一つ目はFRBの金融政策です。

既に市場は今年10月までのQE完全停止を既に織り込んで
いるようですね、ですからQE停止が相場の材料になる
ことはないでしょう、代わってこれから市場が意識する
のはゼロ金利解除、すなわち利上げの時期ということに
なります。

先日のFOMC後の会見で、イエレンさんは「利上げの時期に
ついては全く決めていない」と強調し、市場の先走りに
釘を刺した格好になりました。

さらに注目したいのは、会見のなかででた

「(株価の)評価価値が歴史的な標準とかい離していないか
注視している」が、現在のところ「概ねそうは思わない」

という内容の発言です。

これを翻訳すると

「現在の米国株相場は過去最高値圏にはあるが、
PERやPBRといった投資尺度からみて決して高すぎるとは思わない、
概ね企業業績に基づく妥当な水準にあると思う」

といったところでしょう、さらにその裏側には

「株価やインフレ率に代表されるさまざまな指標をみても、
現在の米国経済がバブル的な状態にあるとは思えない、
従って今の段階で利上げを市場に織り込ませる必要はない」

との考えがあり、そこから冒頭の発言

「利上げの時期については全く決めていない」

につながったと僕は思います。

つまりFRBは米国の現状は、低金利やQEに起因するバブルには
至っていないと考えているわけですし、少なくともこの考えが、
今年下半期中に大きく修正されるとは思えません、
しかも先日FRBの副議長に就任したフィッシャーさんは、
”金融危機管理界”の重鎮です。

ただしFRBの理事には利上げに対して積極派もいますので、
彼らの発言によって、相場が多少ブレることもあるでしょう、
でも全体としてはフィッシャー効果もあり、少なくとも
今年下半期は、株式相場に対して優しい方向で
FRB内の意見は集約されるのではないかと思います。

二つ目の注意点は海外からやってくる悪い材料ではないでしょうか。

まず中国です、ご存知のように同国はシャドーバンキングの
問題やら、不動産バブルへの懸念から、大きな景気対策を
行うことができません。

いま行っているような小粒の景気対策により、7.5%成長を
維持できるかどうか・・・

ここはしっかりとみておく必要があるでしょう、
でも僕はさほど悲観はしていません、しょせん最終的には
何でもアリの国ですから。

アルゼンチンや中東の行方にも一応注意しておく
必要があると思います、アルゼンチンはいまだに10年以上前の
デフォルトを引きずっております、中東はといえば
あいもかわらず民族紛争です。

ただしこれらのリスクは米国株への影響より、
むしろ原油や貴金属相場への影響に注意しておく必要が
あるのではないでしょうか。米国経済や米国株への悪影響は
ないとはいいませんが、既に相場には相当織り込まれて
いるのではないかと思います。

以上のような理由で僕は、下期の米国株に対し、
強気でみております。

 

では今回はこのへんで。

(2014年6月25日)




 




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