■海外不動産の注意点
みなさんこんにちは。
私は日本の不動産、特に東京都内の不動産は、
近隣の諸国もしくは近隣国の諸都市に比べ、
割安感が漂っていると思います。
ですから現物資産として不動産をお買いになるなら、
まずは足元の東京都内の物件をお選ぶになることを
お勧めしたいと思います。
ただ既に数戸都内に保有しておいでなら、
海外不動産の購入も、一考に値するとのでは
ないでしょうか。
例えば弊社は2012年から翌年にかけ、米国、
なかでもラスベガスの不動産の購入を
随分と推奨させていただきました。
なにしろリーマン・ショック以降、米国の不動産相場は
急落し(注)、当時は底値圏を形成しておりました。
注)実際にはリーマン・ショック前の2006年がピークで、
それ以降相場は既に下げ基調に入っていました、
不動産相場は、当時何らかのショックを予見して
いたのでしょうか・・・
思い返せばラスベガスのタウンハウス(注)が、一戸70,000ドル
とか80,000ドルといった安値で買えたものです・・・
注)日本でいうところの小規模な建売戸建てのようなイメージです、
広さは35〜45坪ほど2ベッドルーム、2バスルーム程度が標準です。
あのころの為替レートは、1ドル=80円程度だったので、
例えば築5年、35坪のタウンハウスが日本円で600万円前後で
買えるという異常な安値でした。
当時購入された方は、ホントにいいお買い物では
なかったかと思います。
ただし海外の現物不動産の購入には、いくつか注意すべき
点があります。
まず現地での建物管理や賃貸管理の問題です。
日本国内で不動産をお持ちの方ならお分かりでしょうが、
例えば建物自体の維持管理は、相応の手間と経費がかかります。
また賃借人付や賃貸料の徴収、あるいは滞納の取り立て
など・・、これをひっくるめて賃貸管理と言いますが、
この手間もまた一筋縄ではゆきません。
二つ目の問題は、国内および海外での申告・納税手続きです。
現地で納税を行うと、日本国内での納税は
不要だとお考えの方もいらっしゃるようですが、それは
間違いです、たとえ現地で納税を済ませていても、
国内での納税は必要です。
我が国には国外税額控除の制度があり、国内と海外での
二重課税は(ある程度)免れますが、話しが複雑になる
のでここでは割愛させていただきます。海外で納税を
済ませても、国内での申告が別途必要になるという
ことは押さえておいてください。
三つ目は相続時の手続きに関する問題です。
海外不動産の所有者が死亡した場合、その相続の
手続き(いわゆるプロベート)はとても面倒です。
現地で専門家に依頼し、裁判所に相続の申し立てを
行う必要があり、費用面だけでなく、時間的にも
多大な消耗を強いられます。
海外不動産は、例えば減価償却に関する規定の
違いや、さきほどのラスベガスのように、相場そのもの
の上昇の可能性から、国内不動産では得られない
収益のチャンスはあります。
ただし一方で上記のような
特有の手間やリスクもあるわけです。
これらはどれをとっても難しい問題を含んでおり、
事前に十分な知識と準備をもって、海外不動産というものを
考える必要があるといえるでしょう。
では今回はこのへんで。
(2014年10月21日)
■このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。
「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。 |