贅沢禁止令と中国コイン

みなさんこんにちは。

すみません・・・今回もまたコインの話しをさせて
下さい。

先週の土曜日、ご近所の銀座コインさん主催の
「銀座コインオークション」がありました、
おそらく日本最大のコインオークションではない
かと思います。

僕も数点欲しいコインがあったのですが、
残念ながら坊主・・・つまり全敗に終わりました。

昨年の落札相場はもう過去のもの、あらためて
相場の強さを知った思いです。

ただしすべてのコインが一斉に値上がりしている
というわけではありません、昨今の円安もあり
外国コインは総じて上昇気味ではありますが、その
上昇率には濃淡があります。

今年特に印象に残ったのは中国コインでした。

中国コインのパートになると(いつもながら)一気に白熱し、
会場は中国人ディーラー達に占拠されたような雰囲気です、
落札価格も我々日本人には理解不能・・・
なぜそんなコインにそこまでカイを入れるの?
そんな場面を何度も見ました。

一番ビックリしたのは

・1984年鋳造 150元金貨 落札価格105万円

です、スタート価格は20万円でしたが、数名の方が
競った結果、数分の間に105万円まで行ってしまいました。

重量は8グラム、地金に直すとわずか4万円ほどのコインです。
鋳造枚数は確かに少ないのですが、それでも2000枚以上も
発行しています、欧米の常識ではこの程度の枚数は
決してレアではなく、地金型コインといってよいでしょう。

ほかにビックリしたところでは

・1995年鋳造 500元金貨 落札価格700万円

てのもありました、確かに鋳造枚数は99枚と
少な目ではありますが、重さは5オンスですから
地金価格は70万円ほどにすぎません、これには
オークションの主催者も驚いていました。

中国コインといいますと、以前は第二次世界大戦より前の金貨や
銀貨が値を飛ばしたものですが、最近このあたりは比較的
大人しく、どうやら彼らの関心は、すっかりと上記のよう
に現代金貨に移ってしまったようです。

なぜだろうか・・・不調に終わったオークションの帰り道、
落胆に浸りながらつらつら考えたのですが、おそらく上記の現象は、
意外にも同国の贅沢禁止令とつながっているのではないか・・・

こんな結論に至りました。

習近平さんによる贅沢禁止令によって、高級レストランでの
接待や高額の贈答品などが影響を受け消費が落ち込んだと
言いますが、長らく続いたわいろの習慣を断ち切るのは
容易ではないはずです。

現金や貴金属と違ってコインはかさばらないし目立ちません、
上記のように百円玉程度サイズで100万円以上の値がつくものも
あります。

つまりコインは”贈答品”としては持ってこいなの
ではないでしょうか。

ただしコインなら何でもOKというわけではありません、
例えばクラッシック・コインは嗜好性が強く、もらったほうも
一体どの程度の価値があるのか解りづらく、ありがたみもない・・・

それに対し鋳造枚数の少ない現代コイン、とくに金貨なら、
状態はほぼ一様で個体差はほとんどありません、従って送る側も
受け取る側も、たとえコインの知識がなくてもその価値は
解りやすいはずです。

あるいは贈り物以外の使い方があるのかもしれません。

つまり他人への贈答品として買うのではなく、
自分自身のために買うというものです。

このように考えれば、ここのところの中国現代金貨、
しかも鋳造枚数が少ないコインの価格上昇は、合点が
ゆきます。

であれば、意外にもこの流れ・・・しばらく続くのかも
しれません。

では今回はこのへんで。

(2014年11月25日)




 




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