■来年起きそうなこと-1
みなさんこんにちは。
またまた年末が近づいてきましたね、
ホント早いものです・・・
皆さんもそろそろ来年の相場が気になり始めている
のではないでしょうか。
今回は皆さんの相場予想にお役立て頂くため、
来年いかにも起きそうなことについて、
少しお話ししたいと思います。
まず来年一番のテーマである『FRBによるゼロ金利解除』
の影響について、少し考えてみたいと思います。
この問題について考える場合、昨年から今年にかけFRBが
行った、QE縮小(いわゆるテーパリング)が参考になると思います。
思い返せば昨年の4月から8月にかけ、世界のアチコチで
相場は大きく揺れました、特に顕著に揺れたのは新興国の株や
通貨で、急落と急回復を何度か繰り返しました。
ヒヤヒヤされた方も多かったのではないでしょうか。
この大きな上下動の主な要因は、ヒトの心理では
なかったかと私は思っています。
実際に起きるかどうかわからないが、QEが縮小あるいは停止
すると、いままで米国から世界中に拡散してきたドル紙幣は逆流し、
特に経済のぜい弱な新興国からマネーは流出するはずだ・・・
このような予測が投資家の心理の隅々まで行き渡り、
実際にQE縮小が始まる前に、新興諸国からマネーが
流出してしまったのでしょう。
一方でQEが実際に縮小された後の相場はどうだった
でしょうか。
FRBがQE縮小を発表したのは2013年12月ですが、発表の
当初こそ多少市場に動揺が見られましたが、2014年3月以降、
徐々に相場も安定に向かいました。
このあたり、やっぱりヒト心理の『知ったらしまい』傾向が、
強くでているのではないでしょうか。
つまり「人間の心理は予想される危機に過剰反応を示し、
その危機の現実化によって逆に楽観に振れる」という現象です。
来年に予想されるゼロ金利解除についても、おそらく同様の
現象がみられると私は思います。
仮に市場がゼロ金利解除を2015年9月と予想するならば、
相場の振動は2015年の年初から春ごろにピークを迎え、
その後は徐々に安定方向に向かうといったイメージです。
確かに相場の振動は投資家に精神的な苦痛を強いるでしょうが、
ゼロ金利解除は相場の水準そのものに対しては中立です、
いや米国経済の強さがゼロ金利解除の要件となって
いるという点を踏まえれば、むしろ株価や一部の商品相場に
とって好材料ですらあるといってよいでしょう。
ですから、このゼロ金利解除問題について、私自身も
過剰反応する自分を押さえる気持ちで臨みたいと思います。
来年のテーマの二つ目として、欧州経済をあげておきたい
と思います。
ここのところ欧州の経済は低迷を続けており、
かつての日本同様に低成長、デフレ入りが懸念されて
います、これを受け日一日とECB(欧州中央銀行)によるQE実施が、
現実味を増してきたと言ってよいでしょう。
早ければ次回のECB理事会でQE実施が発表されそうな
雲行きですが、仮に12月もしくは1月の理事会でQEが決まれば
どうなるのでしょうか。
QEをやるとすれば、その規模はどの程度になるのかとあわせ、
おそらく欧州だけでなく、来年の世界経済や相場にとって、
大きなイベントの一つになることは間違いないでしょう。
先日のECBプラート専務理事の発言にあったように、
約1兆ユーロ(約147兆円)規模に達するとすれば、
どうでしょうか・・・この場合、米国のQE3に匹敵する資金供給量
の増加を意味しますので、その効果は絶大でしょう。
仮に年初あたりにこの規模での実施が決まりますと、
欧州経済から中国経済、ASEAN経済を経由して、世界全体への
好影響が期待できるのではないかと思います、相場は
当然ながらユーロ売り、欧州株買い、プラチナとパラジウムも
買われることになるでしょう。
既に欧州QE問題の焦点は、やるやらないからから、
いつ、どの程度の規模で行うかに移りつつあるといって
よいでしょう、そしてそのタイミングと規模は、来年の
世界経済と相場にとって重要な影響を持つことに
なるはずです。
少し長くなってきましたので、来年の世界経済3つ目の
焦点は、来週にでもお話ししたいと思います。
では今回はこのへんで。
(2014年12月2日)
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