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バブルの芽はないか

みなさんこんにちは。

日経平均が18,700円を超え、15年ぶりの高値を
付けました、15年前と言えば僕がまだ30歳代の頃です、
それ以来の高値と聞けば、いやが上にも実感がわいてきます。

日本株だけではありません、米国ではナスダックが5000の
大台乗せで、こっちはドットコム・バブルと呼ばれた、
2000年以来の高値です。

欧州ではドイツや英国など、主要市場で過去最高値を
更新していますし、新興国ではインドやインドネシアも
最高値圏にあります。

長い目で見れば、人間の日々の活動の結果として
必然的に経済は拡大しますので、企業の価値の合計、
すなわち一国の平均株価が過去最高値を更新しても、
ある意味それは自然なこと・・・

しかも既に経済的に世界はつながっておりますので、
世界中で、同時多発的に株価の高値更新がおきても、
驚きにあたいしないということにもなるわけです。

ただし経済は、常に一定のピッチで拡大するわけでは
ありません。

また市場が評価する企業価値の総和、すなわち
平均株価も、常にそれが正当な評価の反映とは
いえないでしょう。

ですから株価の急上昇を伴う高値の更新、
しかもそれが世界同時多発的に起きた場合、
そこにバブル的要素が潜んではないか、
注意深くみておく必要があるでしょう。

株価の上昇が、経済の実態を踏まえたものなのか、
それともその上昇の中に、なんらかのバブル的な要素が
ひそんでいるのか否か・・・

1990年の日本株バブル時も、
2000年の米国ドットコム・バブルの時も、
2007年の米国で起きた証券化商品バブルの時も、

バブルのさなかでは、人はなかなかバブルに気づかないもの・・

過度な期待を抱いていないか、見落としはないか。
思い込みを捨て、白紙の心で相場を見渡す必要があるのでは
ないでしょうか。

バブルか否か・・

その観点でいま、世界の株式市場をみると
どうでしょうか。

株価に関する各国の指標を見ますと、例えば我が国の1990年
バブル当時、平均PERは60倍を超えていました。

米国のドットコム・バブル時は、ナスダック株の平均PERは
確か100倍を超えていました。

過去を振り返ってみると、バブルの生成を計る指標として、
やはりPERは有効ではないかと思います。

では現在の株式市場はどうでしょうか。

我が国のPERが16倍強、米国はNYダウ構成銘柄で17倍前後、
ナスダック市場はやや高いのですが、それでも20倍強です、
欧州ではドイツが14倍で英国は16倍と、PERだけをみれば、
バブルが起きているようには思えません。

PERが妥当でも、企業の業績のほうにバブルがひそんでいれば、
低PERでありながら、株式バブルが発生しているという
珍現象も理屈のうえでは起こり得ますが、おそらく
それも今のところないでしょう。

なぜなら近年の企業の増益率推移などから見て、
どうも企業業績にバブルがひそんでいるとは思えないからです。

バブルを計る指標はPERだけではありませんが、たとえば
PBRや賃金の上昇率、経営幹部の報酬、M&Aの件数などをみても、
どうもバブル的な匂いはいたしません。

このような理由で、僕には今の株価がバブル化しているとは
思えないのです。

一方で世界の市場を見わたしますと、株式市場ではなく、
むしろ債券市場のほうが気がかりです。

これは前回のメルマガでも申し上げましたが、
特に日米欧の国債は、あきらかにバブル化しているのでは
ないかと思いますし、米国のハイ・イールド債市場も
気になります。

このような低金利もしくはマイナス金利がいつまでも続くとは
思えません、金利抑圧の反動はいずれ起き、それが私たちの生活に
大きな影響を及ぼすことにならないでしょうか・・

今は低金利、ばあいによってはマイナス金利があたりまえに
なっていますが、よく考えればこれは中央銀行が人為的に
作り出した、異常な状態なわけです。

正常な経済において、お金を借りる側が利息を受け取るなど、
尋常なことではありません。

いずれその反動が起きると考えておくべきでしょう。

株式バブルを心配するより、現時点ではよほど債券バブルの
ほうが懸念され、その影響と対策について真剣に考えておくべき
ではないかと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2015年3月6日)




 




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