■高所恐怖症と向き合うために
みなさんこんにちは。
ここのところ世界的な株高が続いていますね、
このメルマガをお読みの方のなかにも、ずいぶんと資産を
増やされた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
一方で株価は未来永劫上がり続けるものでは
ありません。
7年まえのリーマン・ショックのときのように、
いつか急落して元の木あみに戻るんじゃないだろうか・・・
こんな不安をお持ちの方もおいででしょう。
もし皆さんが株価の急落に備えられるとしたら、
方法は三つあると思います。
一つ目は株の空売りや、最近人気のベア型ETFなど、
株価に対して逆に連動する資産を、一定額お持ちになる
という方法です。
株価下落の際、これらの資産の価格は上昇しますので、
お手持ちの株が下落する損失の一部を、相殺することは
可能です。
ただしこの方法には少し問題点があります。
仮に今後も株価が上昇し続ければ、上記のような逆連動資産の
価格は下落し続け、皆さんが株の上昇から受ける利益の
一部を、常に相殺し続けることになるわけです。
確かな相場観に基づく行動であれば、成功率は上がるかも
しれません、仮に失敗しても、その結果に対して納得も
ゆくでしょう。
一方で単に高所恐怖症に駆られた衝動的な「逆連動買い」なら、
それはいたずらに皆さんの”勝ち分”を減らすだけ、
一時的にうまくいっても、長い目で見れば徒労に終わるのが
関の山ではないかと思います。
二つ目は、欲を張らずに利益を確定し、
現金に戻すという考え方です。
一気に現金に戻すのが惜しければ、ご自分で決めた目標株価に
近づくにつれ、徐々に売却を進めていってもよいでしょう。
このようにしていったん現金に戻したお金は、
いつか株価が下落した時を待ち、再び株式市場に
戻してあげるとよいでしょう。
ただしこの方法には、強い精神力が求められる
ことになります。
まず上昇し続ける株を途中で売るという行為は
自らの欲望との戦いで、これに打ち勝つには、
相当な自制心が求められることになるわけです。
さらに株を売って得たお金を、ひたすらそのまま
現金で維持し、再参入の機会を待つのもまた、
高い忍耐力が求められるでしょう。
少なくとも僕には自信がありません・・・
三つ目は資産の質的・地理的分散で、これは
僕がいつもこのメルマガなどで申しあげている方法です。
世の中には株やコモディティなどのように、
景気の変動サイクルに連動して動く資産もあれば、
景気の影響を受けにくい資産、場合によっては景気変動の
影響を全く受けない資産もあります。
・ヘッジファンド
・金(Gold)
などは、そのグループに入れてよいでしょう。
さらに不動産やクラシック・コインなど紙の資産ではない、
いわゆる「現物資産」を組み込むことにより、
景気変動を超えた金融ショックへの耐性を持たせることも可能です。
リーマン・ショックや我が国の金融危機のように、ここのところ
景気後退期からそのまま金融ショックに至るケースも見られ、
その点で現物資産への分散は意味があると思います。
さらに重要なのは、これらそれぞれの資産が、自らの
ペースで価値の上昇を続けるということで、その点において
上記の「現金への一定期間の退避」と性質が異なります。
このような分散型のポートフォリオを維持しておけば、
株高による高所恐怖症ストレスも、ある程度和らげる
ことができるのではないでしょうか。
では今回はこのへんで。
(2015年3月19日)
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