■2%インフレと資産運用
みなさんこんにちは。
僕は10年前にある本を書きました。
こう書房という出版社から出した、
『50才からの30年、ゆうゆう生きるお金額』という、
長いタイトルの本です。
インフレと資産運用の関係について書いたもので、
内容を一言でいうならば、
「もしインフレ率2%が定着すれば、いったいどの
程度の収益率を資産運用の目標にすれば生きてゆけるのか」
こんな内容の本でした。
といっても当時はデフレの真っ最中で、2%のインフレなど
現実味がありませんでした。案の定、本はあまり売れず
出版社にも悪いことしたと思っています。
あれから10年、日本経済の環境も随分と変わりました、
安倍さんと黒田さんのリフレ策によって、徐々にでは
ありますが、我が国の物価も上昇しはじめました。
2%インフレの中で、いったいどのようにして生活の水準
を維持してゆけばよいのか・・・このような視点で資産運用に
取り組まれる方が増えてきたように思います。
では仮に2%のインフレが定着した場合、
私たちはどの程度の収益率を目標にして、
資産を運用してゆけばよいのでしょうか。
「2%にインフレ率に勝つためには、2%の収益率を
目標にすればいいはずだ。」
多くの方はこのようにお考えのようですが、
結論から申し上げれば、それは誤りです。
目標とすべき収益率は、お一人お一人の
・ご年齢
・現在の保有資産額
・今後の収支バランス
などによって、驚くほど違って参ります。
例えばあなたの状況が
・65才(ご主人)
・世帯で2000万円の資産を保有
・収入は年金のみで280万円、支出は350万円
だとすれば、毎年6.7%の収益率を維持しなければ、
95才到達以前に資産は底をついてしまいます。
「95才まで私は生きないよ」とおっしゃるかもしれませんが、
奥様はどうでしょうか?一般に奥様のほうが年下の場合が
多く、さらに女性は男性より長命です、ですから家計の
資産運用を考える場合、ご主人95才程度まで見渡した、
運用が求められるわけです。
では仮に以下のような設定ですとどうでしょうか?
・65才(ご主人)
・世帯で3000万円の資産を保有
・収入は年金のみで280万円、支出は350万円
さきほどの条件のうち、現在の保有資産を
2000万円から3000万円に増やしただけで、他は変えて
おりません。
この場合このご家庭に求められる収益率は3.9%で十分です、
さきほどのケースの6.7%ならほぼ絶望的ですが、
3.9%だと何とか射程圏と言えるのではないでしょうか。
これらは一例で、繰り返しになりますが
2%インフレの世界で求められる収益率は、
お一人お一人の
・ご年齢
・保有資産額
・収支バランス
などによって、驚くほど違って参ります。
皆さんも「2%インフレ」を前提とした資産運用について、
一度お考えになってみてはいかがでしょうか。
では今回はこのへんで。
(2015年5月12日)
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