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異常な低金利の先は

みなさんこんにちは。

一時から少しだけ金利は上がりましたが、
それでも歴史的低水準にあることは間違いありません。

各国の10年債利回りを見てみると

・日本 0.396%
・ドイツ 0.658%
・イギリス 1.954%
・フランス 0.960%
・アメリカ 2.236%

注)5月19日現在

などとなっております、
これはどういうことかと言いますと、例えば日本政府が
発行する10年債を100万円ぶん買ったとしても、一年間に
(平均で)4000円ほどしか儲からないということです。

日本政府がそうそう債務不履行を起こすとは思えませんが、
上記4000円には、信用リスクや一年間の機会損失の対価まで、
含まれているわけです。

我が国ではすでに数年前から歴史的低金利が続いています、
当時からよく、「17世紀イタリアのジェノバを超える低金利」
などと言われましたが、今や欧州でも異常な低金利が
常態化しており、ジェノバの低金利記録は、子孫たち住がむ
ヨーロッパでも、あっさりと塗りかえられてしまいました。

きっと何百年もあとの人たちから、「21世紀初頭のドイツ以来の
低金利」などと言われるに違いありません。

ではこの低金利、いったいいつまで続くのでしょうか、
そしてもし金利が上昇したら、いったいどのような
ことが起きるのでしょうか・・・

いまの金利は人為的に起こされたもの。いいかえれば
日銀やECB(欧州中央銀行)、FRB(米国の中央銀行)による
低金利政策や流動性供給策の成果です。

ここまでの中央銀行の動きを時系列でみますと、
リーマン・ショック後に

米国⇒日本⇒欧州

の順で流動性供給策を導入し、いち早く導入した米国は
既にQEから卒業し、正常な政策運営に戻りつつあると
いってよいでしょう。

あえて今後の流れを予測するなら、各極の政策正常化の時期は

・米国 2015年末から
・日本 2017年から
・欧州 同上

といった感じではないでしょうか、
素直に考えれば、向こう2年ほどの間に日米欧の
金融政策は徐々に正常化に向かう可能性が高く、
この場合金利の正常化を伴います。

ただし日米欧とも既に経済が成熟しており、かつてのような
高金利状態に戻ることはないでしょう。

それでも長年超低金利に慣れっ切った私たち日本人に
とって、そのような、いわば「正常な世界」に適合するのは、
骨の折れる作業になるかもしれません。

庶民の生活に最も大きな影響を及ぼすのは住宅ローンの金利です。

仮にフラット35で3000万円を借りる場合、1.5%の金利上昇に
よって総返済額は1000万円近くも増えてしまいます。

変動金利型ローンの場合はもっと注意が必要でしょう。

さらに言えば金利の正常化の前提は、2%程度のゆるやかな
インフレです。従ってこの場合、住宅や土地の価格の上昇を伴う
可能性があり、利払いはさらに膨らむことになります。

小規模経営者の方、歯科医院を経営しておいでの方などは、
資金の調達金利の上昇を想定しておくべきでしょう。

なるべく長期の固定金利で調達しておくこと。
あるいは金利が正常化した世界で、当該投資案件に
よって利払い以上の収益を得られるか否か、厳しい目で投資の
取捨選択が求められることになるでしょう。

上記のように金利の正常化は、個人、法人を問わず、
資金の調達側で負の影響が避けられません。

現在の異常低金利の一因は、中央銀行の政策にあることは明白で、
いわばこれは期限つきです、向こう数年の猶予期間は有効に
使うべきではないでしょうか。

 

では今回はこのへんで。

(2015年5月20日)




 




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