日本株、下期相場の焦点は

みなさんこんにちは。

ことしもそろそろ折り返し点が近づいてきました。
今回は日本株に焦点を絞り、今年後半の相場について
少し考えてみたいと思います。

以前から僕は、今期(2016年3月期)の日本企業の増益率を
13%程度とみておりましたが、いまのところその予想は
変えておりません。

先期末(2015年3月期末)のEPS(一株当たり利益)は、
約1125円でした、仮に上記予想のように今期の増益率が
13%だとすれば、今期末のEPSは約1270円(注)あたりに
着地することになります。

注)1125円×113%≒1271円

日本企業のPERの妥当値が、仮に16倍だとすれば
どうでしょうか。

この場合、2016年3月末の日経平均の妥当値は20,336円(注)
程度と計算できるわけです。

注)1271円×16=20,336円

これに対して現状はどうでしょうか。

昨日時点(6月3日終値)の日経平均株価は20,543円で、
既にこの水準を上回ってしまっています。

言い換えれば現在の株価は、今期の企業業績の拡大を
あらかた織り込んでしまっているといってよいでしょう。

問題はここからです。

株価は経済の先を読みます。ですからこれから先の株価は、
例えば来期(2017年3月期)の企業業績を
織り込みながら推移してゆくことなるでしょう。

その始まりは、例えば夏あたり。

例年8月あたりから市場の注目は、今期を通り越し、
来期の決算のに移ります。従ってこのあたりから
来期の予想EPSをどう読むかのせめぎあいがはじまることになる
わけです。

ではその来期EPSを、どの程度とみておけばよいのでしょうか・・・

よく円安は一回こっきりの効果で、円安進行がとまれば
企業業績の拡大も止まる・・・こんな風に言う人もいるようですが、
僕はそうは思いません、

2012年末に始まった超円高修正によって、企業は設備投資や研究開発、
人材教育など、前向きにお金を使う余裕が出てきたようですね、
原油安も企業業績にとって追い風です。

現在の為替水準が維持されるだけで、
好循環は続くのではないでしょうか。

もちろん海外の経済状況にも大きく左右されますが、
少なくとも2017年3月期あたりまで見渡して、企業業績に
大きな逆風が吹くような気配はありません、今のところは・・・

ですから現時点で来期の企業業績をあえて予想するなら、
たとえば今期と同じ程度の増益とみるのが妥当ではないかと
思うわけです。

このような考えに基づいて、来期のEPSを予想致しますと

1271円×113%≒1436円

という想定があって良いのではないかと思います。
さらにPER16倍が維持されるとすれば、妥当株価は

1436円×16≒23,000円

と計算できます。

この23,000円を、今年夏あたりから来年の今頃にかけての
上値として、意識しておいてよいのではないでしょうか。

ただし日本を取り巻く外部環境に、大きな変化が
なければのお話しです、注意してみておくべきは、
まずは米国の利上げのタイミングとその速度でしょう。

二つ目は欧州経済の行方で、ギリシャ問題には引き続き
注意が必要です。

三つ目は中国経済です、中国には両サイドにリスクが
あるとみております、片側は経済が予想より早く減速する
リスク。二つ目は経済減速に対する対策を過度に行い、
逆に資産バブルが起きるリスクです。

上記のようなリスクに目を配りながらも、大筋としては
23,000円を意識する・・・日本株に対しては、このような
見方でよいのではないかと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2015年6月3日)




 




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