■銀貨のねらい目は
みなさんこんにちは。
あまりに暑いので、今回はコインのお話しを
させてください。
ここ数年で、新しいタイプのコイン収集家が
増えてきたように思います。
即ちコイン収集を、単なる趣味としてとらえず、
趣味+資産運用(もしくは資産防衛)の対象として
みる収集家です。
この新しい収集家の登場は、コイン相場に大きな変化を
もたらしつつあるようです。
一般に彼らが持ち込むお金は多額ですので、例えば一枚数千円
といった、低額のコインにお金を投じることはありません。
高ければ高いほどよいというわけでもないのですが、
今後値上がりが期待できそうなコインに、集中的にお金を投じる
傾向にあるといってよいでしょう。
一般には残存枚数の少ない、いわゆる希少コイン。
残存枚数が多いコインであれば、状態が飛び切り良く、
その点で希少性があるコイン。
彼らが狙うのは、例えばこのようなコインです。
ただ新し収集家と一口にいっても、それぞれが投資する
お金の量は千差万別です、数億円といった単位のお金を
持ち込む人もいれば、数十万円の予算で参入してくる
ひともいるわけです。
ですから価格帯という観点で彼らが狙うコインを見ますと、
数万円のコインから数千万円のコインまで、幅広く散らばって
いるといってよさそうです。
僕はお客さんからよく、「どの程度の価格帯のコインを
買うべきでしょうか?」といった質問を受けますが、
この問いに対する答えはなかなか難しいものがあります。
ただしボリュムゾーンがどこにあるかと考えますと、
経験的に一枚50万円から100万円程度のコインが、
彼ら新規参入組が好んで買う、コインの中心価格帯に
なっているような気がします。
そのような観点で言えば、例えばイギリスの17世紀から
18世紀のクラウン(銀貨)や19世紀のプルーフ貨(注)。
注)プルーフ貨というのは、贈呈用に少量作られたコインです、
ただし現在のプルーフ貨はまったく価値はありません、
価値があるのは20世紀初頭あたりまでのものです。
出遅れ気味のお隣フランスでは、17世紀のルイ13世から、
18世紀のルイ15世にかけてのエキュ(銀貨)。
さらに出遅れが顕著なお隣ドイツでは、
神聖ローマ帝国17世紀前後のターレル(銀貨)、
ターレルの中でも大型の2ターレルはさらによいでしょう。
銀貨でいえば、このあたりに今後お金が入り
やすいのではないかと僕は思います。
特にフランスのエキュやドイツのターレルは、
イギリスのクラウンに比べ出遅れ感が強く、
50万円も出せば飛び切り状態の良いコインが、
ガンガン手に入ります。
幸いまだまだ人気が低く、オークションでも店頭でも、
ほとんど競合なく購入できます。
新規参入組の方も、以前からの収集家の方も、
これらの銀貨は押さえておいて損はないでしょう。
では今回はこのへんで。
(2015年7月23日)
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