中国はどこへゆくのか

みなさんこんにちは。

先週以来、世界の相場は中国に振り回されている
かのようです。

中国経済が高度成長期を終え、その成長率が
徐々に下がるのは、ずっと前から言われてきたことです。

にも関わらず、それが現実味を帯びた段階で、
あらためて世界が大揺れするところに、同国経済に
対する期待の高さがあったのではないでしょうか。

よく考えると中国は不思議な国です。

例えば他の経済大国を見ますと、領域は違いますが
それぞれに得意分野の様なものがあり、何らかの形で
それが世界の経済や文化に対して貢献しているものです。

例えば米国を見ますと、ITや金融で常に新しい
価値観や商品を創造していますし、ドイツは自動車や
精密な機械を作ることによって、世界に貢献している
といってよいでしょう。

日本はドイツ同様に自動車や電子部品で
世界に貢献していますし、アニメや食文化を通して、
世界の人々の生活に好影響をもたらしている
といってよいでしょう。

このような視点で中国をみるとどうでしょうか・・・

たくさんのエネルギーや食料を消費することによって、
確かに消費拡大という観点では世界に貢献はしていますが、
いわばそれは単に人口が多いというだけのお話で、同国が
積極的に価値を生み出しているわけではありません。

低価格のスマホを作る会社は育ちましたが、
それは人件費の安さを武器に、他国の製品との競争に
勝っているだけのお話しです。会社の中に技術の蓄積や、
新しいアイデアを生み出す土壌はなく、人件費の
上昇とともに、やがて他国にとってかわられることに
なるでしょう。

あるいは近年アフリカやアジア諸国への経済支援やAIIBの創設など、
経済を通して新興国支援を行う姿勢を示してはいますが、
どうも中国の場合は国益が全面にでてしまい、支援を受ける側は、
もろ手を挙げて歓迎しているように見えません。

つまりどのような観点から見ても、例えば他の経済大国のように、
価値の創造や経済力によって世界に貢献したり、尊敬を受けて
いるようには見えないのです。

いっぽうで、経済成長はある意味で政権と中国国民の
暗黙のお約束です。

そのような国がその寄って立つ基盤、言い換えれば
経済力や成長への期待を失えば、いったいどのようなことが
起きるのでしょうか。

国の外に対してはプレゼンスを誇示できず、
国の内側では国民の不満レベルが高まる・・・

おそらくそのような二重苦を味わうことになるでしょう。

中国当局にとって、このような事態は受け入れがたいに
違いなく、その生命線である経済力を、あらゆる手段を
用いて維持しようとするのではないでしょうか。

 

では今回はこのへんで。

(2015年7月8日)




 




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