■今年を振り返って
みなさんこんにちは。
早いもので12月も中旬です、
このメルマガも今回が最後の配信とさせていただきます。
さて今回は年末らしく、今年の世界経済や相場について
少し振り返ってみたいと思います。といっても単なる回想では
ありません、今からお話しすることは、おそらく来年・・・あるいは
それ以降の皆さんの資産運用にとって、重要な要素を含んでいる
のではないかと思います。
今年一番の話題はといえば、中国経済の減速観測の
高まりではないでしょうか。
8月突然行われた人民元の切り下げに驚き、
相場は大きく反応いたしました。
ただ同国経済の減速は以前から言われ続けてきたこと、
20年にも及ぶ高成長時代の方が異常であったことに、市場は気づき、
そして我に返ったというところではなかったでしょうか。
二つ目の話題は、すでに遠い記憶になりつつありますが、
ギリシャ危機ではないでしょうか。
結果的には2013年の再現となり妥協に至りましたが、
一時はギリシャがユーロ離脱するのではないかと懸念されました。
妥協の成立以降欧州は安定を取り戻しましたが、
どうもその後がいけません、頼みのドイツはVW問題で揺れましたし、
あいかわらず欧州経済は低迷し、物価も水面上ギリギリといったところです。
三つ目の話題は米国の利上げではないでしょうか。
私は今年9月が本命と思っていましたが、実際は12月でした。
この事実は想定より弱い米国経済の反映といってよいでしょう。
先日のイエレン議長の記者会見でも、極めて緩やかな利上げの
ペースが示唆されました。
以上3つだけあげさせていただきましたが、
こうやって振り返りますと、こと経済に関していえば、
今年は明るい話題が少なかったようで、総じて世界全体が
停滞期に入ってしまったかのような観すらあります。
先ほどの中国減速や欧州の停滞、あるいは米国経済の
緩慢な成長、さらに新興国経済の成長性の低下など・・・
これらはどれをとっても世界経済の停滞という、
共通の根っこを持った兄弟現象といえるのではないでしょうか。
そのように考えますと、どうやらこの傾向は今年だけの
ものではなく、おそらく向こう数年といった時間軸で見ても、
世界経済の停滞感は残りやすいのではないでしょうか。
つまり今後の数年も経済成長の鈍化傾向は続き、
その結果としての低金利政策や流動性供給策(QE)が続きやすい
ということです。
米国はQEを昨年卒業し、ゼロ金利も解除いたしましたが、
米国を取り巻く環境は決して明るいものではなさそうです、
数年先にはゼロ金利政策やQEへ戻ってしまうかもしれません。
一言でいえば「マネー過多」の状況は今後も続く可能性が
高いのではないでしょうか。
これまでの数年に続き、来年も私たちは過剰マネー状態への
対策を持っておくべきで、特に富裕層の方にとって、
この考えは重要ではないかと思います。
でも逆にいえばピンチはチャンス。
この環境をうまく利用することによって、
逆に資産規模を大きくすることも可能です。
過剰なマネーは、マネーの対極にある現物資産の相対的な
価値を高めることになります。
したがって資産防衛、あるいは資産運用の手段として、これからも
現物投資の意義が大きくなることは間違いないでしょう。
では今年はこのへんで。
(2015年12月18日)
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