預貯金のマイナス金利はあるか

みなさんこんにちは。

先週日銀がマイナス金利を導入していらい、
この話題で市場は持ちきりです。

マイナス金利は民間の金融機関が、日銀に対して
預ける預金に対して適用されるものであり、
私たち庶民が銀行に預ける預貯金が、マイナス金利に
なるわけではありません。

先行してマイナス金利を導入したヨーロッパの事例を
みても、庶民の預貯金はマイナス金利になっていないようです、
銀行としてはマイナス金利を適用したいのでしょうが、
社会的な影響に配慮して避けているようです。

おそらく我が国も、同様の道を進む可能性が高いのでは
ないでしょうか。

つまり預金金利は上にも下にも行けず、
「預金金利ゼロ状態」の継続です。

「金利が付かないだけならいいや」というわけには
ゆきません。

銀行は逆ザヤ状態になるのを避けるため、金利以外の方法で、
収益を得ようとするでしょう。ATM使用料の値上げ、一定以下の
残高に対する口座維持管理手数料の徴収、振込手数料の値上げ、
為替の手数料の値上げ・・・当面これらが候補になるでしょう。

結局このような名目で私たちの口座から少しずつ
お金が出てゆく可能性が高く、したがって口座の残高は、
少しずつ減ってゆくのではないでしょうか。

もう一つ、インフレの影響も考慮しなければなりません。

今のところ日銀の2%インフレの目標はうまくいって
いるようにはみえません。が、それでも原油相場が下げ止まれば、
この目標は実現可能かもしれません。

仮に2%に届かないとしても、少なくとも「失われた20年」と
言われたデフレ時代は終焉し、ゆるやかなインフレ時代に入る
可能性が高いと僕は思います、イメージとしては1〜1.5%程度の
身の丈に合ったインフレです。

では仮に、このような1%代前半の緩やかな物価上昇が
定着したとすればどうでしょうか。

たとえば今皆さんの口座の残高が100万円あり、
「預金金利ゼロ状態」が向こう10年続いたとしましょう、
この間お金を放置しておけば口座の残高は100万円のままです。

一方でこの10年の間に物価が10%あがればどうでしょう、
この100万円の実質的な価値は逆に10%下がります。

つまり貨幣の価値が下がるという意味で、私たちにとって体感的には
この間、毎年1%のマイナス金利が発生しているのと変わりありません。

上記の様な点を考えますと、私たちが銀行に預ける
預金は表面的に「ゼロ金利」でとどまったとしても、実質的には
「マイナス金利状態」が続くと言えなくもありません。

 

では今回はこのへんで。

(2016年2月24日)




 




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