■格差拡大のその先は
みなさんこんにちは。
確かにここ数年、経済的な格差はドンドンと
広がっているように思います。
経済がグローバル化するなか、すでに多くの単純労働は、
賃金の安い新興国に移転してしまいました。
今後この傾向はますます顕著になり、例えば予想されるロボットや
IoTの進化によって、その単純労働もやがて人間以外の労働力に
置き換えられる可能性が高いでしょう。
もはやこの流れは止めようがなく、最終的に私たちに残される労働は、
人とのコミュニケーションやデザインなど人間の情緒や感性に依存する分野、
あるいは研究開発や設計、医療、法務など高い専門性が要求される分野、
さらには経営やマネージメントなど、豊富な経験値と戦略性が求められる
分野などといったように、かなり絞り込まれるのではないでしょうか。
その結果ますます従来型の単純労働の価値は低くなり、この分野の
人件費はさらに下がることになるでしょう。
一方でロボットやAIで代替できない領域では、より優秀な人材を
集めるために人件費が高騰するでしょう。
つまり収入(=フロー)における格差の拡大です。
これに対してストック(=金融資産)における格差の拡大も、
顕著になると僕は思います。
すでにその傾向は見えますが、例えば一定の資産を持つ富裕層のなかには、
現在の低金利を生かし、レバレッジを効かせた不動産投資を
熱心に行っている人もいます。
仮に年利1.5%で長期の固定金利資金を調達できたとしたら、
どうでしょう。
現在の都内不動産投資から得られる年間収益率は、ネットベースで4%
ほどですから、差し引き2.5%(注)は手元に残る勘定です。
注)4%-1.5%=2.5%
実際には建物は減価してゆきますが、減価価値は物件価額に対して
年間1%程度に収まりますので、減価償却を加味した収益率は
1.5%ほど(注)もあります。
注)2.5%-1%=1.5%
つまり低利で調達したマネーが、高い収益を生むわけです。
あるいは余裕資金で実物資産へ投資される方もよく目にします。
今後も緩和的な金融政策が続くなら、実物資産の相対的な
価値は上がるでしょう。
その結果、富裕層はますますストック面でも富裕化してゆく可能性が高く、
フロー、ストックの相乗効果によって、今後ますます格差の拡大が
顕著になると僕は思います。
格差の拡大は社会の不安定化要因だとよく言われますが、
どうやら私たちが住む世界は、残念ながらそっちに向かって
進んでいるのではないでしょうか。
では今回はこのへんで。
(2016年7月21日)
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