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日本経済、いくつかのシナリオ

みなさんこんにちは。

『根本的な解決方法ではないとわかってはいるが、
それが一番簡単な解決策なので、そちらに流れざるを
えない・・・』

日銀の量的緩和やマイナス金利を一言で表現すれば、
このようになるのではないでしょうか。

本来は構造改革や新産業の育成によって成長性を高め、
経済活性化の結果として物価をあげ、設備や消費の
拡大へ誘導すべきなのでしょう。

ただし語るは易し、行うは難し・・

構造改革や新産業の育成といっても、
一朝一夕に実現するものではありません。

結果として僅か数名の審議員の多数決によって、
簡単に決められる金融政策に頼らざるを得ない状況に
陥っているといえるでしょう。

ではその行き着く先はいったいどこなのでしょうか。

日銀は追加緩和の余地を協調しますが、
これからも無制限に紙幣供給を増やしてゆけるかといえばそうでもなく、
いずれ限界が来るのは目に見えています。

マイナス金利幅の拡大も同様でしょう。

では日本経済や日銀には、いったいどのような近未来が
待っているのでしょう。

僕は以下の4つに集約できると思います。

シナリオ1(目標設定の修正)→可能性30%

そもそも2%インフレという初期の目標が高く過ぎたという反省に立ち、
日銀が近々目標設定を修正するというシナリオです、例えばインフレ目標
そのものを1.2%程度に下げるという考え方、あるいは達成時期に
関する言及を削除するというシナリオです。

シナリオ2(ちゃぶ台返し)→可能性50%

黒田総裁や安倍首相の任期満了とともに、目標設定を一から
変更してしまうという考え方です。いわば無かったことにするわけです。
なお日銀総裁の任期は5年で、黒田さんの就任以来すでに3年半が
過ぎました。

シナリオ3(神風がふく)→可能性10%

いまAIやロボット、IoTなどで融合された新産業が芽吹きつつ
ありますが、これら新産業がけん引する形で世界の経済が再加速し、
幸運にも物価と投資が好循環に入るというシナリオです。

シナリオ4(波乱)→可能性10%

上記いずれのシナリオにも当てはまらない場合、日銀は果てしない
QQEとマイナス金利の消耗戦を強いられ、いずれ市場の信認を失う
という怖いシナリオです。

3は最高のシナリオ、4は最悪のシナリオです。

一番日本らしい筋書は2ではないでしょうか、日銀は現在の政策を
堅持するがインフレ目標達成には程遠い、そうこうしているうちに
黒田さんの任期切れが近づき、新総裁の就任と同時に目標設定や
政策を大幅に書き換える・・・こんなストーリーです。

いわばこれはリセットではありますが、結局は次の日銀総裁や
首相が新しい政策を実行しなくてはなりません。確かに
リスタートですが・・再び同じループにはまる可能性が
高いでしょう。

現実的かつ最も正しい選択は、シナリオ1ではないかと思います。
目標値を我が国経済の実力に見合ったものに修正し、急進政策を
捨ていわば漸進策に変更するという考え方です、これがいまの
日本にとって最善の策ではないかと思います。

さて今月下旬の政策決定会合で、日銀は金融政策の総括を
行います。単なる批評におわるのでしょうか、それとも
総括のうえに立って、何らかの方向性の変更を決めるので
しょうか・・・

いすれにしても重要な会合であることは間違いありません、
注目してゆきたいと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2016年9月2日)




 




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