紙幣になぜ価値があるのか

みなさんこんにちは。

例えば江戸時代に私たちのご先祖様が金貨や銀貨を使っていたころ、
貨幣そのものに価値がありましたので、例えばモノを売る側の人間は、
モノと交換に安心して貨幣を受け取ることができたわけです。

明治期に紙幣が導入されましたが、当初は兌換紙幣と言いまして、
紙幣を日本銀行に持ち込むと、同等の価値をもつ金と交換して
くれました。

従って紙幣そのもに価値があったといってよいでしょう。

その後わが国では1942年の日銀法改正によって、不換紙幣(注)の
発行が可能になり、翌年(昭和18年)以降に発行された紙幣は
すべて不換紙幣になりました。

注)不換紙幣:金との交換ができない紙幣

つまり現在の紙幣も含め、上記昭和18年以降に発行された紙幣は、
紙幣そのものには価値はないということです。

にもかかわらず、私たちはもう70年以上にわたって
この紙をお金として使い続けていることになります。

では紙幣をお金たらしめているのは、いったい何なの
でしょうか。

一言でいえばそれは発行体の信用で、すべての日本人(や外国人)が、
日本の政府の信頼性を前提に、紙幣を交換手段や退蔵手段として使って
いるといってよいでしょう。

逆にいえば政府や中央銀行の信頼性に疑念が生じますと、
紙幣の価値は薄れることになります。

言い換えればこれはインフレであり円安です。

では政府や日銀の信頼性とは、つきつめればいったい
何なのでしょう。

『政府や日銀が一貫性をもって現在の円紙幣を発行し、
流通させ続け、なおかつその発行量を許容範囲内に収め続けること。』

一言でいえば、これではないかと僕は思います。

従ってかつて日本の政府が行ったデノミ、つまり新円への
切り替えを予感させるようなことは微塵もあってはなりませんし、
通貨発行量を増やし続け、その許容範囲を超えると予想
させるようなことがあってもなりません。

いま日銀はデフレ回避を目標に紙幣供給量を増やしていますが、
このQQE政策には、常に上記のような懸念があるということを、
意識しておくべきではないでしょうか。

 

では今回はこのへんで。

(2016年9月14日)




 




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