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なぜ実物資産に投資するのか

みなさんこんにちは。

このメルマガをお読みの方ならご存知かもしれませんが、
僕は実物資産を好んで保有いたします。

もちろん現預金や株、ヘッジファンドや商品ETFなど、
いわゆるペーパーアセットへも、バランスよく配分して
いるつもりですが、少なくとも大多数の方に比べると、
明らかに実物資産の構成比は高いと思います。

これは僕個人のことに止まりません、
信念をもって僕のお客様へも、同様のアドバイスを
させていただいております。

では基本に立ち戻り、
実物資産を保有する理由はどこにあるのでしょうか・・

資産の分散効果や価格変動の抑制、
あるいはインフレへの備えなど・・・いろいろな
理由があるのですが、それらを総合してあえて一言でいえば、
『自分のサイフの紐のもう片側を、自分以外の誰かに
持たれたくない』ということではないかと思います。

例えば株をみればどうでしょう。

株は会社の持ち分を証券化したものですから、
投資した会社の成長性が価値の源泉です。

いくら情報公開が進んだとしても、あるいは時間を
かけて企業の分析をしても、所詮はカイシャの経営者あるいは
経営陣に、自分の資産をマルマル託すことにはかわりありません。

債券も同様で、債券が持つ借金の証文としての実態に
立ち戻って考えた場合、私たちは債券の発行体(国や企業)と、
一蓮托生の契約を結ぶことになるわけです。

保険はどうでしょう。

保険の場合やや複雑ではありますが、保険が最終的に
債券や株式で運用されている実態を踏まえれば、結局は
他人に依存するという点で、株や債券と変わりありません。

さらに保険会社の破たんという負の要素を背負うという
意味で、より他人への依存度合いが大きくなるといって
よいでしょう。

では現金はどうなのでしょうか。

現金は金融商品ではないので、絶対的なものだと
お考えの方が多いのではないかと思いますが、実態は
やや異なります。

通貨を発行するのは中央銀行で、その中央銀行の
総裁や審議員を選ぶのは(実質的には)政府です。

紙幣をどれだけ発行するか、あるいはどのタイミングで
発行するかという重要な点に関して、私たちは一言も
口をはさむことはできません。通貨の発行量の多寡により
一枚当たりの紙幣の価値が、実際には変動するにも
関わらずです。

その意味で現預金の本質的な価値は、日銀や政府に
全面的に依存しているといってよいでしょう。

つまり私たちが持っているサイフの紐の片側は、
いつも日銀が握っているようなもので、
私たちは皆、知らずと日銀や政府と一蓮托生の関係を
築いているわけです。

これに対して実物資産はどうでしょう。

例えば不動産です。不動産も日銀による紙幣の供給量(資金供給量)に
よってその価値が上下しますので、完全に自立した資産とは
言い切れません。

それでも人が生きてゆくに際し必要不可欠という意味で、不動産は
ある種の絶対的な価値を持っているといえるのではないかと
思います。

なにより明治以降の日本を振り返れば、
株や債券、現預金などが、たびたび文字通りペーパーに
戻ってしまった現実との対比で、
不動産が絶対的な価値を持つことは明白です。

貴金属やコイン、宝石類も同様で、これらの資産には
そもそも発行体がありませんし、誰の資産でもありません。
構図はいたってシンプルで、購入した人がこれらの資産と
一対一の関係を結ぶだけといってよいでしょう。

つまり実物資産の保有者は、

現預金でいうところの日銀や、
株でいうところの企業やその経営陣、
債券でいうところの国、
ヘッジファンドでいうところの運用会社およびその経営者、

このような第三者との、価値の依存関係から解放されるわけです。

投資には分散が最も重要であることは言うまでもありませんが、
問題はどのような視点で分散を行うかということでは
なでしょうか。

その観点で上記のような実物資産への分散が、
有効ではないかと僕は思うわけです。

 

では今回はこのへんで。

(2016年10月5日)




 




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