■インフレと資産運用
みなさんこんにちは。
ずっと前・・・確か10年以上まえ『50歳からの30年、
ゆうゆう生きるお金学』という本で、僕はインフレ率と資産運用の
関係を随分と考えました、このテーマは僕のライフワーク
といっていいかもしれません。
一般によくインフレ率が2%なら、年間2%以上の収益を
目指して資産運用する必要があると思われているようですが、
決してそのようなことはありません。
実際にはお一人お一人の
・収支のバランス
・現在の手持ち資産
この2つの要素によって、驚くほど目標設定が変わって
くることになります。
例えば60歳時点で1000万円の資産をお持ちの方と、
3000万円の資産をお持ちの方を比較した場合
どうでしょう。
他の条件(年金収を280万円、年間の支出を350万円と仮定)
が同じであったとしたら、それぞれ以下の収益率が
求められることになります。
・1000万円お持ちの場合⇒年率12.9%
・3000万円お持ちの場合⇒年率3.9%
注)この方は年金以外の収入がないと仮定、また向こう30年間の
インフレ率は2%と仮定しました。上記試算は、30年後に
資産がマイナスにならないための最低運用目標です。
実は僕自身10年ほど前に上記試算をおこなったとき、
手持ちの資産によってこれほど目標収益率が違うのかと、
驚いたものです。
このようなことから私たちは、定年時点までにどうやって
多くの資産を築けるかが、極めて重要だということが
わかります。
おそらく年率12.9%での運用は絶望的ですし、いまのような
低金利状態では、たとえ3.9%でも難しいといえるでしょう。
では前提を変え、ほかは同条件で60歳時点の手持ち資産を、
5000万円でスタートすればどうでしょう。
この場合、皆さんが必要とされるリターンは年率0.8%で
すみます。
ただし上記は90歳時点でちょうど手持ちの資産がゼロになるという
前提です、実際にはそれ以上長生きされる場合に備えなければ
なりません。
さらに人は手持ちの資産が少しずつ減ってゆく現実に対し、
精神的なストレスをお感じますので、実際の目標収益率の設定は、
上記に対して一定の上乗せが必要でしょう。
ただ感覚的にリタイア時の手持ち資産と、
資産運用の目標設定の関係について、上記の試算は
参考になると思い紹介させていただきました。
多くの方はリタイア直前になってこの現実に気付かれるようですが、
将来のお金の流れについて、40歳台の後半から試算をお始めに
なることをお勧めいたします。
では今回はこのへんで。
(2016年11月8日)
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