2017年相場の心配ごと

みなさんこんにちは。

来年の世界株はマズマズだと思いますが、
それでもいくつか気になることもあります。

まずアメリカ次期大統領の経済政策です。

経済は単独で動くわけではなく、政治や外交などと
複雑に絡み合いながら、そのときどき様々な動きを見せ、
一瞬たりとも静止することはありません。

予測不能な動きを見せる経済に対し、
臨機応変に対処するためには、聡明な頭脳と深い見識が
要求されるはずです。

経済の専門家を周囲に配して実践に臨むことになるでしょうが、
最終的な意思決定を行うのはトランプさん自身です。

おハコの財政出動や規制緩和はドル高を誘発する一方、
ドル高が進めば支持基盤である製造業の雇用は
損なわれます。

どこかで折り合いをつける腹づもりがあるのか、
それとも対立する利害に翻弄され、
政策がアチコチぶれるのか・・

二つ目の懸念はヨーロッパの債務問題と政局です。

イタリアは第三位の銀行であるモンテパスキと、
ドイツのドイツバンク、いずれも過去の不正によって、
大きな損失を抱え込みました。

注)ドイツ銀行の損失は確定していませんが、
  損失は巨額です。

ヨーロッパ諸国で極右勢力が台頭しつつあり、債務問題は
単純な経済問題ではなくなりつつあるといえるでしょう。

臨機応変の対策を打てない場合、また2013年のような
欧州債務危機の再現となる可能性は十分あるのでは
ないでしょうか。

三つ目に気になるのは新興国経済です。

トランプさんが次期大統領に決まって以来、急速に
ドル高が進んでいます。

心配なのは2014年のバーナンキ・ショック時にみられた新興国通貨ウリで、
資金の流出が極度に進めば、新興国経済に大きな打撃となるでしょう。

以上来年の世界経済の心配事をいくつか挙げましたが、
逆に期待できる材料もいくつかあります。

例えば日本の企業業績の改善で、このまま1ドル=115円程度
が定着すれば、来期の企業業績はずいぶん改善するはずです。

あるいは米国経済。

トランプさんの3点セットがうまく機能すればどうでしょう、
米国経済は加速し、世界経済全体をけん引する
好材料になるはずです。

アレやコレや差し引きし、僕自身は来年の相場に対して
強気で臨むつもりですが、大切なのは一つ一つの材料に反応することなく、
冷静な生起確率の分析と、それにみあった資産バランスの
メンテナンスを行うことではないかと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2016年12月12日)




 




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