■2018年相場の心配ごと
みなさんこんにちは。
先週は『2017年相場の心配ごと』という題で、
来年の世界経済の懸念事項をいくつか挙げさせて
頂きました。
今回はさらにその先・・・再来年の心配ごとに
ついて少しお話ししたいと思います、まだ来年にも
なっていないのに心配性な奴だとお思いかもしれませんが、
結構大きな問題なので、鬼に笑われるつもりで
あえてお話ししたいと思います。
前回お話ししたように、世界と日本の経済にとって
来年はまずまず良い年になると思います。
アメリカの経済はやや加速し、その結果米国金利は上昇気味。
日本はといいますと、ここから円安方向に動く余地がわずかに
残っており、原油価格の底打ち効果もあり、悲願の
インフレ率の上昇期待が高まるのではないでしょうか。
緩やかなインフレは、まさに日銀が目標とするところ・・
日本経済にとって大変めでたいことではありますが、
好事魔多し・・・良いことの裏側で悪いことが進行する
ということは珍しくはありません。
来年いっぱいを見てもインフレ率2%に届くことは
ないと思いますが、市場や相場は先を読みます。
再来年(2018年)当たり、もしかしたらインフレ率2%に到達し、
さらにその先一定期間2%インフレが維持されるのでは・・
こんな期待が市場で膨らむようなことがあれば
どうでしょう。
その場合、日銀がQQE(量的質的緩和)を停止する懸念が
でてくるでしょう。
注)量的質的緩和:日銀が大量に紙幣を市場に供給すること
によって物価上昇を目指す政策です。
なぜなら日銀の今のスタンスは以下の通りだからです。
『・・・物価上昇率が安定的に2%を超えるまで、通貨供給量を
増やし続けることを約束しました。・・・』
注)2016年9月21日、日銀説明資料より
では上記のように日銀が通貨供給を縮小したり、
あるいはその先通貨供給が停止するんじゃないかと市場が
考えた場合、いったいどのような現象が起きるのでしょう。
懸念されるのは金利の上昇で、場合によっては
金利の急騰もあり得るでしょう。
先月来すでに我が国の金利は上昇しつつありますが、
例えば2018年(2017年ではありませんよ!)一年で、
長期金利が1.5%〜2%も上昇するイメージです。
長い間低金利が続いただけに、急激な金利上昇は日本経済の
アチコチで混乱を引き起こすでしょう。
我々庶民の生活で一番心配されるのが住宅ローンの急騰で、
変動金利で借りている方はローンの返済増に要注意です。
自己資金ゼロなど多額の融資を受け、不動産投資を
行う人たちも、無傷ではいられないでしょう。
金融機関の財務状況に対する影響も無視できません、
保有する国債の価格下落によって、自己資本比率は下がり、
貸し出し余力が減るでしょう。
国の財政にとっても黄色信号で、国債の利払い費の増加によって、
国の歳入と歳出のバランスが崩れ、財政悪化の懸念が高まる
可能性もあるでしょう。
だいぶ先のお話しになりますが、上記のように金利急騰を
先読みした影響が、もしかしたら来年の終わりあたりから
出始めるかもしれません。
備えあれば憂いなし・・・仮に上記のようなことが
起きるとしても、幸いにもまだ十分に時間的な余裕があります、
来年一年ゆっくり時間をかけ対策を進めたいものです。
では今年はこのへんで。
(2016年12月21日)
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