■企業と従業員の緩やかな関係
みなさんこんにちは。
長い間当然のことと思われていたようなことでも、
今になって考えれば単なる思い込みにすぎなかった・・・
振り返ってみると、
こんなことはよくあります。
例えば僕が就職したころは、一度入社してしまえば
それっきりで、一生同じ会社に勤めることが当然とされて
いました。
給料は毎年上がるのがあたりまえでしたし、
若手の社員は長期の住宅ローンを早々に借り、
マイホームを建てて一人前になると考えられていた
ものです。
今から考えると、どれもこれもおかしな話です。
最近ではインフレ目標というものを、
中央銀行が設定するのがはやりですが、
これも疑ってかかるべきかもしれません。
まず人為的にモノの値段をあげるというようなことが、
そもそも可能なのかという疑問です。
4年前に黒田さんが日銀総裁に就任したとき、
2年後に2%のインフレ率達成を宣言しましたが、
『期待に働きかける政策』はすでに失敗に終わったようで、
またまたデフレに戻りつつあります。
この4年間、あれだけ大胆にインフレ誘導を試みたにも
関わらずです。
4年もやれば成功か失敗かくらいはわかるはずで、
そこは日銀も十分自覚しているでしょう。
つまり金融政策だけでインフレに誘導するのは、
無理だったということです。
では日本経済はこれから何を目標に、
政策を選択してゆくべきなのでしょう。
僕は経済の実態を伴わないインフレ誘導、
いいかえれば『日銀への丸投げ』を、
早々に終えるべきだと思います。
安倍さんの三本の矢、
すなわち
構造改革
金融政策
財政出動
の筆頭にあげるべき構造改革の、
一丁目一番地はいったい何なのでしょうか。
この4年間僕なりにいろいろ考えてきましたが、
どうやら『会社と従業員の関係の見直し』が、
一つの有効な道筋ではないかという気がしています。
言い換えればもっと緩やかな雇用関係の構築です。
これは従業員と企業の関係を見直すということで、
従業員は仕事の効率を上げ、仕事が終わればいつでも
会社から出られるような環境を作る。
退社後は副業で稼ぐのも自由だし、習い事でスキルを
高めてもいいですし、家族との時間を楽しむのも自由。
カイシャで成果をあげる人は賃金が上がるが、
そこそこの仕事で妥協する人は、それなりの給料で
満足する。
週に5日働く人もいれば、週に2日だけ仕事する人も
いる。在宅勤務ももちろんOK。
こんな緩い会社と従業員の関係です。
それぞれが会社から解き放たれる結果、国民一人一人が
有効に時間を使えるようになり、社会全体でみて
生産性が上がる、そして新しい産業が生まれる、
アメリカのように・・・。
生産性の上昇に伴って自然な形で収入が増え、
必然的にインフレに誘導される。
これがインフレ誘導の正しい道筋ではないでしょうか。
最近企業の経営者が、残業ゼロ目標を口にする
例を時々目にします。
あれほど社員に長時間労働を強いてきた日本電産ですら、
社長の永守さんが2020年までの残業ゼロを宣言しました。
長い間当然と考えられてきた会社と従業員の関係の再構築。
意外とこれは、日本経済の進む正しい方向
ではないでしょうか。
では今回はこのへんで。
(2017年2月1日)
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