■カラーストーンのお話し
みなさんこんにちは。
僕は仕事がらよく宝石屋さんと話をします。
銀座の和光や日本橋の三越などの宝飾品売り場の店員さん、
あとは現地と直接のルートを持つ宝石の専業者さん。
皆さん口をそろえミャンマー産の非加熱ルビーや
サファイアの入荷が減ったとおっしゃいます。
加熱されたスリランカ、モザンビークなどのきれいな
石は以前通り入荷するそうですが、やはりミャンマー産は
別格で、現地でもめったにいい石は見つからないようです。
現地バイヤーからの情報など総合しますと、2カラット以上の
ピジョンブラッドと呼ぶに値する石の産出は、
せいぜい年20個程度が実態ではないかと思います。
ルビーでいえばピジョンブラッドと呼ばれる強い赤の非加熱石、
サファイアでいえばロイアルブルーと呼ばれる深い青の石・・・
昔から珍重されてきたこのような石はすでに掘りつくされた観が
ある一方で、世界中で富裕層のコレクション・アイテム
としてニーズは高まるばかりです。
ミャンマー現地に行けばマンダレーは言うに及ばず、
ながらく外国人お断りだった宝石鉱山村のモゴックですら、
外国人バイヤーが多数進出し、購入競争は厳しさを増して
います。
昨年アメリカがミャンマーに対する経済制裁を解除し、
ルビーやサファイア、ヒスイなどの輸入が解禁された影響が、
すでに出始めているのかもしれません。
感覚的に申し上げますと、2カラットほどの非加熱ルビーの
最高状態の石を現地鉱山やオーナーから直接買った場合、
5万ドル〜7万ドル(注)といったところですが、10年ほど前と
比べ既に4倍ほどにもなっています。
注)以前本でも書きましたが、この価格は現地で鉱山所有者から
直接買った場合の価格で、日本の店頭では概ねこの3倍から
4倍程度で売られることになります。
ただしだからといって高価な宝石を、
何の知識もなく急いで買うのはよくありません。
もし皆さんが投資の対象としてカラーストーンを見られるなら、
なんといっても購入額はとても重要な要素です。
仮に現地価格の4倍の価格で買ってしまえば、
含み益が出るまで相当の年月待たねばならないでしょう。
石の鑑定内容も重要です。
たとえGIAやグベリンなど信頼性の高い会社の鑑定書がついていても、
加熱された石や、タイやモザンビーク産など数ある石のばあい、
値上がりの期待はさほどないでしょう。
さらにたとえミャンマー産、非加熱、1カラット以上
といった条件をすべて満たしていたとしても、色が薄かったり、
過剰な内包物、あるいは石の表面に達するほど大きなキズが
あれば値上がりの可能性は低くなります。
まずは書籍や店頭などで正しい知識と相場観を身につけ、
投資されるかどうかお考えになるとよいでしょう。
参考図書としては、
『価値がわかる宝石図鑑』(ナツメ社、諏訪恭一著)
『決定版 宝石』(世界文化社社、諏訪恭一著)
をお勧めいたします。
もちろん僕の本、
『アンティーク・コイン&実物資産で手堅く運用する』
(クロスメデイア・メーケティング、田中徹郎著)
も(自分でいうのもなんですが・・)わかりやすいですし、
おそらく宝石商以外が書いた唯一の宝石本(注)だと思います。
注)宝石以外にもコインと不動産いついて書きましたが・・・
では今回はこのへんで。
(2017年3月7日)
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