破たん回避のために

みなさんこんにちは。

2%のインフレ目標を2年で達成する。

これは黒田さんは日銀総裁就任当初に設定した目標ですが、
4年経った今もこの目標は達成できていません、
今後を見渡してもおそらく達成は難しいでしょう。

にもかかわらず上記目標達成のための政策、
即ち流動性供給策(以下QE)をこのまま続けてよいのだろうか・・

国民の多くはこのような素朴な疑問を持っているのでは
ないでしょうか、私自身も同様です。

すでに日本国債の残高の40%を日銀が保有するという
異常な事態に陥っていますし、さらにこの比率はQEの継続によって
毎年上がってゆくことになります。

仮に今年、来年、再来年とインフレ率2%に到達しなければ
いったいどうなるのでしょう。

このまま日銀は国債を買い続けるのでしょうか。
そして政府は財政のタガを緩め、国債の大量発行を
続けるのでしょうか。

このままのペースで3年間QEを続ければ、その間の国債購入額は
およそ240兆円です、日銀による現在の保有残高が420兆円ほどですから
あわせておよそ660兆円になる勘定です。

一方この間国債の発行残高が現状程度の伸びに収まれば、
おそらく3年後の国債残高(長期債務:注)はおよそ1100兆円
に達しているでしょう。

注)地方自治体の債務残高を含めます

その結果1100兆円の公的負債のうち700兆円近くを日銀が持つという、
だれが考えてもいびつな姿になるわけです。

たとえ700兆円が1000兆円になっても問題ないとの意見も
あるようですが、果たしてそうでしょうか。

ご存知のように紙幣そのものに価値はありません。

通貨の価値の源泉は発行体である日銀(と政府)に対する信用です、
使う側の国民や場合によっては外国人が、発行体である政府と
日銀への信頼を失えば、紙幣は紙に戻ります。

紙幣が紙に戻ることはあるのか・・・

言い換えれば紙幣の保有者が、発行体の信頼に疑問を
持つことはあるのか・・・

私はあり得ると思います、今のように政府が
債務の残高をコントロールできていない状況では、
通貨の使用者が発行体に対する不信感を持つ方が
正常ではないかと思います。

2020年のプライマリーバランス達成シナリオは、
すでに破たんしているといってよいでしょう。

安倍さんは同バランス達成の時期を先送りするのではなく、
国民が納得できる『破たん回避のロードマップ』を示す
必要があると思います。

 

では今回はこのへんで。

(2017年4月5日)




 




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