リーマン・ショックを振り返る

みなさんこんにちは。

私はときどきリーマン・ショック前後の新聞を読み返す
ことがあります。

当時を振り返り、現在と比べながら、

世界経済のどこかにバブルの芽はないか、
経済が変調する兆しはどこかに隠れていないか・・・

そんなことを確認するためです。

世界経済が何度もバブルを繰り返すのも、
逆に景気の後退に対し金融政策が後手を踏みがちなのも、
人が日々のわずかな変化の蓄積に鈍感だからではないでしょうか。

世の中の大半の人が気付かないまま、経済は本来あるべき
姿をこえて膨張し、やがて突然バブルは崩壊する。

バブルを事前に察知するのは簡単なことではありませんが、
それでも過去の事例をよく学べば、そこに何らかの手がかりは
あるはずです。

そんな気持ちもあって、私はときどきこうやって
10年近く前のスクラップを読み返すのです。

例えばリーマン・ショック前後の日本経済新聞を
パラパラめくりますと、以下の様な記事を見つけることができます。

『サブプライム、5000億ドル損失の衝撃。米金融市場、
 悲観の連鎖』(日経朝刊2007年11月13日)

『サブプライム、UBS1.1兆円追加損、2兆円の資本増強』
(日経朝刊2007年12月11日)

『欧米金融、損失10兆円超す、全容なお不透明』
(日経朝刊2008年1月16日)

『米、0.6%成長に急減速、住宅低迷、消費鈍る』
(日経朝刊2008年1月31日)

『ベアー、6日で信用急落。米金融不安拡大、うわさ広まり、
 株価急落』(日経朝刊2008年3月18日)

『欧米銀、追加損失広がる。ドイツ銀は4000億円』
(日経朝刊2008年4月2日)

『米当局、対応後手に 住宅公社救済を表明』
(日経朝刊2008年7月15日)

そしてリーマン破たん直後の記事が以下です。

『米金融当局 袋小路に。米国の金融情勢 90年代後半
 の日本に酷似。連鎖の矛先、AIGに』(日経朝刊2008年9月17日)

まるで紙面から悲鳴が聞こえてきそうな記事のオンパレードで、
当時の緊迫した雰囲気が伝わってきます。

アメリカの政治問題や経済の変調リスク、
中国の不良債権問題、
中東や東アジアの地政学リスク、
我が国の財政問題・・・

世界を見渡せば今でもバブル崩壊や経済危機の予兆が
ないとは言えませんが、すくなくとも2007年や2008年当時と比べると、
世界経済はずいぶんと健全な状態にあることがわかります。

明日にでもバブルが崩壊すると煽りててる人々は常にいますが、
いちいちそのような煽りに引っ張られていると投資になりません。

私たちは他人からの雑音に惑わされることなく、自らの感覚を
常に磨いておく必要があるのではないでしょうか。

 

では今回はこのへんで。

(2017年6月16日)




 




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