コインを使ったスローな資産運用の勧め

みなさんこんにちは。

最近アンティーク・コインが資産運用の対象として
注目されているようですね。

一か月ほど前の日本経済新聞に、大きく取り上げられたのには
僕も驚きました、

コインが注目されるのは大変うれしいことなのですが、
逆に不安になることもあります。

ネットを見れば『煽り系の新興コイン商(注)』の広告が目立ち、
刺激的なコピーでコイン投資を勧めているようです。

注)僕が作った言葉です、ここ数年の間ずいぶん多くのコイン商が
  新たに参入してきました。

例えば「エリザベスの5ポンドは向こう数年の間に数倍になるだろう」
「イギリスにウナ&ライオンが数年で1憶円になる可能性がある」

このような刺激的な宣伝文句です。

確かにここ数年で10倍ほど値が上がったイギリスのコインが
あったり、リーマン・ショック直後から中国のコインが暴騰した
事例などもあり、コインの値上がりは珍しいお話では
ないのですが、それらはみな過去のお話です。

しかも暴騰の後に調整が入るのが普通で、例えば過去10年の
間に10倍になったコインが、向こう10年の間に10倍になると
考えるのはあまりに単純すぎるでしょう。

コインのマーケットは極めて小さく、わずかなお金の流入で
相場は高騰してしまうのです、何のことはない
彼ら煽り系コイン商たちが買い手を煽り、結果的に相場が急騰
している面もあるのです。

日本のこんなマーケットを見ていると、僕などは暗い
気持ちになってしまいます・・・

確かにヨーロッパやアメリカでは、コイン収集は富裕層の
一般的な資産運用や資産承継の手法の一つではありますが、
それは例えばFXや短期の株売買とは全く異質なものです。

地続きのヨーロッパでは国が興り、国が滅び、国境は常に形を
変えてきました。

一般市民は戦乱に翻弄され、国家から分離された独自の資産を
手元に置く必然性があったといえるでしょう。

したがって彼らにとって必要なのは、それそのものに価値があり、
持ち運びが容易で、かつ換金性が高い資産だったはずです、
その視点でコインというものが富裕層に選好されてきた
わけです。

つまり時代や世代を超越した超長期投資の対象として、
コインは引き継がれてきたわけで、決して投機の対象
ではありませんでした。

確かに今の日本経済の状況を見ると、コインを資産防衛の
手段として活用する素地はあると思いますが、だからといって
コイン投資本来の意味を忘れ、投機の対象としてセールスを
するのはいかがなものでしょう・・・しかも驚くほどの高値で。

仮に相場の2倍の値段で購入した場合、
投機として考えても成功は難しいのでは
ないでしょうか。

超長期にわたる資産防衛という本筋に戻り、
読者の皆さんはコインに目を向けていただければと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2017年9月14日)




 




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