■日本株の史上最高値更新はあるか
みなさんこんにちは。
ここのところ日本株が急騰していますね、
昨日も日経平均は400円近く上がり、
なんでも25年ぶりの高値水準だそうです。
25年前といえば1992年で、
日経平均は1989年につけた史上最高値38,957円からの
急落過程にありました。
そういえば僕は当時30歳で、
大阪で若手サラリーマンをやっていました・・
よく10年一昔などといいますが、25年前ともなれば
遠い夢を振り返るような気すらします。
25年たって元に戻った日本株ですが、ここからさらに
上昇するようなことがあれば、史上最高値38,957円奪還への
道のりということになります。
株価は会社の価値の投影です。
個別の会社という細かいお話ではなく、会社という存在が、
各々の個体の価値増殖を目的に、成長し続けるものだとすれば
どうでしょう。
この場合一国の株価インデックスもまた、
必然的に成長し続けるといえるでしょう。
ですから期間を区切らず長期的な視点で見れば、
いずれ日経平均最高値38,957円は、更新される運命にあると
いえるわけです。
問題はその時期が例えば向こう5年の間に訪れるのか、
あるいはさらに25年待たなければならないのかといった、
時間軸だけです。
では日本株の高値更新は、いったいいつ頃に
なるのでしょう。
過去の延長線上に近未来があるとは言い切れませんが、
すくなくとも私たちが近未来を予想するうえで、過去を
振り返ることに意味はあると思います。
さきほど株価は企業業績の投射だと申しましたが、
ではその業績は過去どのように推移したのでしょう。
株価の重要な決定要因になる企業の経常利益を見れば、
例えばいまと株価が同水準にあった1996年時点で11兆円ほどです、
これに対し直近の予想ベースでは、今期38.7兆円(注)と予想されており、
これは過去最高の水準です。
注)2017年11月8日、日本経済新聞記事より
一株当たり利益も同様の傾向にあり、同じく1996年時点と
比べると、現在は約4倍(注)の水準にあります。
注)同上
さらに最近の数字をみるとどうでしょう。
ちょうどいま、日本の会社は7-9月四半期の業績発表の
最中ですが、上半期(4-9月期)の経常利益は従来予想より
13%上振れています(注)。
注)大和証券集計、直近までに業績発表を終えた
企業の集計結果です。
さらに今期(2018年3月期)の通期ベースをみても、
上場企業の純利益は対前年比で20%ほども増える見通しです。
一方で現在の指標をみるとどうでしょう。
例えばPER(注1)を見ますと、バブル期には60倍を超えていまたが、
現在では日経平均採用銘柄の平均で約15.3倍(注)に過ぎません。
注1)PER:株価が一株当たりの利益の何倍で売買されているかを
示す値です、ちなみに現在のアメリカ株は20倍まで
買われています。
注2)今期の予想業績をベースに計算された値です。
PERは一般的に16倍程度が妥当な水準だといわれており、
その点で現在の日本株に割高感は感じません。
これはどういうことかといいますと、ここからPERがさらに
下がる可能性は低く、この場合、株価は企業利益の
増加率だけ上昇するということです。
現在の株価が約22,800円・・・PERが現状程度で動かないと
仮定すれば、日経平均38,957円に届くために、企業の利益は
今の水準から70%増える必要があります。
38,957円÷22,800円≒170.9%
さてこの70%です。
先ほど申しましたように、例えば1996年当時と比べると、
一株当たり利益はすでに4倍程度に膨らんでいますし、
昨年度(2017年3月期)の実績と比べても、今期は20%
の増益が予想されています。
もし20%増益のピッチが来期以降も続くなら、70%増益は
3年で達成です、株価は半年ほど先を織り込もうとしますので、
日経平均最高値更新は2020年の今頃ということになるでしょう。
もちろん近未来はこれほど単純ではありません。
消費税の増税も今度はあるでしょうし、為替だって
どう動くかわかりません、北朝鮮問題も深刻化するでしょうし、
好事魔多し・・・調子が出てきたところで、またまた
リーマン・ショックとあいなるかもしれません。
それでも1996年以降の20年強を振り返ると、この間、
企業の利益が4倍にもなっているのもまた事実です。
例えばむこう5年・・・5年がだめなら10年。
こんな時間軸で見ておけば、決して日経平均の
過去最高値も夢ではないと僕は楽観しています。
では今回はこのへんで。
(2017年11月8日)
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