■来年以降を少し予想してみる
みなさんこんにちは。
いつもこのメルマガの年初は、「○○年型ポートフォリオを考える」
で始めさせていただいておりますが、今回は予告編で少しだけ
来年以降の日本についてお話ししたいと思います。
来年の日本経済は物価の上昇に焦点が当たると僕は思います。
「脱インフレ傾向」がますます明確になり、
少しインフレ的な雰囲気になってくるのでは
ないでしょうか。
黒田さんの2%インフレにはまだまだ距離はありますが、
年の後半あたりには1%(注)を超えてくる可能性が高い
でしょう。
注)生鮮食品を除く消費者物価指数ベースです
そう考える大きな理由は人手不足感の台頭で、
運輸・サービス業や建設業などを中心に、人手不足感が
高まってきました。
この人手不足感は遅れて賃金の上昇をもたらし、
いずれ物価に波及いたします。
円安によって輸入物価のみが上がるという
円安起因型のインフレではなく、これは日本経済に
とって理想的な循環といえるでしょう。
つまり
人手不足感の台頭
↓
賃金の上昇
↓
消費の拡大
↓
物価の上昇
↓
企業業績の拡大
↓
賃金の上昇
↓
物価の上昇
↓
こんな好循環の始まりです。
これは日本にとっては大変好ましい兆し(きざし)ではありますが、
すべての国民に恩恵が行きわるわけではありません。
特に注意が必要なのはリタイア層です。
受け取る年金も一定程度は賃金に連動して増えますが、
完全に連動せず、インフレ時には少し圧縮される設計(注)
になっています。
注)賃金上昇率に対して、概ね0.9%程度マイナス方向に
スライドするとお考え下さい。
したがって年金受給額は、インフレ率に対して
0.9%ほど負けると考えておく必要があるわけです。
一年で0.9%
二年で1.8%
三年で2.7%・・・
インフレ率を調整した、体感的な年金受給額の
減少率はこんな感じになるでしょう。
しかもこれは今の年金制度が維持されるという、
楽観的な見通しに立った場合のお話しです。
日本経済全体で考えた場合、
緩やかなインフレは大変好ましいのですが、
すべての国民が均等にその恩恵が行きわたるわけではないのです。
そういえば僕は13年ほど前「50歳からの30年、
ゆうゆう生きるお金学」(注)という本を書きました。
注)すでに絶版になりました
その本で僕は「ゆるやかなインフレ下で、リタイア生活
を送る際の資産運用法」を提案させていただきました。
あれから13年・・・想定より少し年月はかかりましたが、
ようやくインフレを語れるような環境になってきました。
特にリタイア層にとって、質的な分散や地理的な分散が
ますます重要になりつつあるといえるでしょう。
では今年はこのへんで。
(2017年12月20日)
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