■年齢とともに変わる資産運用
みなさんこんにちは。
人は歳を重ねるにしたがって変わってゆきます。
体力や気力、職業、住居、収入や支出に家族構成・・
自分自身の変化もさることながら、自分を取り巻く
環境も大きく変化してゆきます。
資産運用もこのような変化にあわせる形で、
少しずつ方針や目的を変えてゆかなければなりません。
したがって若い方の資産運用と、
僕のような中高年齢層の運用スタイルは、
違って当然だと思います。
例えば時間軸という観点で資産運用をみればどうでしょう。
若い方の場合は残された時間が十分にありますので、
なによりその時間を有効に使うべきだと思います。
また若い方は仕事や能力の開発という点でも、
まだまだ大きな可能性があります。
ですから自分自身への投資を重点的に進めるのが合理的な選択肢であり、
逆に言えば投資に時間をかけすぎるべきではないと思います。
このようなことから若い方の場合、
できるだけ手間をかけず、同時に時間を味方につける運用・・・
つまり定額の積み立て投資が理にかなっているといえるでしょう。
一方で私たちのような中高年はとどうでしょう。
この年齢層はすでに一定の資産を築いた方が多く、
しかも残された時間は、少なくともお若い方に比べ
長くはありません。
ですから積み立て投資という時間の分散に着目した投資は、
必ずしも有効な運用手法だとは思えません。
湯舟に満杯のお湯が入った状態では、
蛇口から新たに入ってくる水の影響はほんの僅かです。
ですから中高年の投資は、いかにして湯舟にお湯を
溜めるかではなく、すでに湯舟に溜まったお金の分散が重要で
はないかと思います。
言い換えれば現状におけるリスクのレベルを、
いかにして下げるかという観点が重要です。
にもかかわらず不思議なことに、このような考え方が
資産運用の現場で語られることはめったにありません。
たとえば株や商品相場や仮想通貨、FX投資など、
さまざまなペーパーアセットがありますが、
この領域に資産を集中するのは考えものです。
現預金や債券を除きペーパーアセットは概ね相場の変動が激しいですし、
その現預金や債券ですら、さまざまな金融ショックに対し、
ぜい弱な性質も持っているのは過去を振り返っても明らかです。
中高年は若年世代と違って、いったん大きく資産を棄損して
しまうと取り返すのは困難です。
なぜなら勤労収入による挽回はさほど期待できませんし、
時間という資産が多くは残っていないからです。
ですからこの金融ショックに対する脆弱性や、
価格変動リスクの大きさは、我々世代にとって
致命傷になりえます。
たとえ高い収益性が期待できたとしてもです。
ですから我々世代の資産運用は、
収益性より安全性、
金融ショックに対する耐性
が重要で、そのためには質の異なる資産への分散という、
守りの姿勢が求められるといってよいでしょう。
そのような視点に立てば、現預金や株、債券といった
ペーパーアセットだけではなく、一定の部分は不動産や貴金属、
場合によってはコインなど、現物資産に分散しておくべきだと
いう結論に行き着かざるをえません。
では今回はこのへんで。
(2018年6月18日)
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