日本株の買い場を待つ

みなさんこんにちは。

ここのところ世界の株価は不安定ですね、
一昨夜のニューヨーク・ダウは600ドル以上下げましたし、
それを受け日経平均も800円以上下げました。

日米ともに7-9月四半期の決算発表の最中ですが、
いよいよ貿易摩擦の影響が、実際に数字になって
見え始めたといえるでしょう。

毎回先陣を切って発表するアメリカのキャタピラーは、
中国から輸入する原材料価格の上昇によって、
下半期の採算性の悪化が予想されています。

アメリカの日用品メーカーは、中国からの輸入関税が上がった結果、
採算が悪化し始めました。

日本では中国の設備投資抑制によって、
ロボットや半導体関連産業の受注が減っています。

決算発表が始まる前までマーケットは、貿易摩擦の影響が
どの程度出るのか、見極めきれていなかった部分もありましたが、
このようにリアルな数字を見ていますと、
警戒感が先だってしまうのでしょう。

当然だと思います。

では今後の日米の株価はいったいどう動くのでしょうか。

アメリカ株に関しては、もう一段の下げは覚悟しておくべき
ではないでしょうか、なにしろここまでの企業業績が良すぎました。

アメリカの今年(2018年1月〜12月)の企業業績は23%増益と
予想されていますが、これにはトランプ減税の効果が入っており、
かなり下駄をはかされた数字ではないかと思います。

7-9月期決算の発表は、まだ始まったばかりで
これからが本番です、開示が進んでゆくなかで、
市場は新たな現実に直面することになるでしょう。

減税効果が一巡する来年は、
10%程度の増益とみられていましたが、
この数字には十分貿易摩擦の影響は織り込まれていません。

もちろんアメリカ中間選挙の結果や、それを受けたトランプ大統領の
行動も不確定要因ではありますが、アメリカ株が底を打つには、
もう一回か二回の、四半期決算を経なければならないのかもしれません。

ちなみに10-12月の決算発表は来年1月末で、
その次は4月です。

これに対して日本株はどうでしょう。

先ほどアメリカ企業の7-9月期増益率を23%と
申しましたが、日本企業はせいぜい5%ほどです。

もともと期待値が低かったせいもあり、
今期の業績予想に基づく日経平均の予想RERは、
12倍強に過ぎません。

アメリカと違って、例えば工作機械や半導体製造装置、
ロボット産業など、日本の会社は中国経済の影響を受けやすく、
今年の早い段階からすでに、米中貿易摩擦の影響や中国経済の減速などを、
織り込んできたからではないかと僕は思います。

その意味で日本株は、
アメリカ株より底値に近いような気がいたします。

といってもアメリカ株同様、
もう一段の下げは避けられないとは思いますが・・・

ただし、ここから見ておきたいのはその先です。

目先は貿易摩擦の問題や、Brexit、イタリアの財政など
懸案事項が多いですが、来年あたりから、
いよいよ5G基地局への投資が始まります。

このメルマガで以前申し上げましたが、5Gは単にスマホの
置き換えというだけではなく、自動運転や無人倉庫、
IoTなど産業構造を一変させる潜在力があります。

日本の会社はロボットやセンサー、自動搬送機、CCDなど、
5Gの周辺領域で良いポジションにあり、
5Gの立ち上がりは追い風になるでしょう。

アメリカ中間選挙の行方やBrexitなど、心配事を
挙げたらきりがありませんが、その先には明るい見通しも
あるのです。

日本株もアメリカ株に引きずられる形で、
もう一段下げる可能性が高いと思いますが、
株は大きく下げたところを買わなければ儲かりません。

個別株では既に高値から60%ほども下げた銘柄もありますので、
いつでも出動できるように準備をしておきたいと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2018年10月25日)




 




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