■株価下落が米中貿易交渉を前進させる
みなさんこんにちは。
ここのところアメリカ株がまた下げていますね。
10月初めに27,000ドル近かったNYダウですが、
昨夜(現地時間の11/21)の下げで24,400ドル台になりました。
この間の下落幅は10%近くにもなります。
ここのところの株価下落は、米中貿易戦争の影響が
大きいようですが、この問題は一筋縄ではいきそうもありません。
アメリカからみれば貿易不均衡だけが懸念事項ではありません、
もっと広い視野でアメリカはみており、中国が急速に台頭し、
アメリカの覇権に挑戦しつつあると映っているのではないでしょうか。
実際のところ中国は、
明確に覇権を視野に入れ始めたように見えます。
アメリカは中国の台頭を放置することはないでしょうが、
あまり圧力を加えすぎ、中国と共倒れになるリスクも
感じているに違いありません。
そこが1980年代に起きた日米貿易摩擦との違いです。
中国の存在感は当時の日本と比べものにはなりません、
現に中国からのブーメラン効果によって、
冒頭のようにアメリカ株も下げ始めており、
そこが日米貿易摩擦との違いだといえるでしょう。
なにしろトランプ大統領は株価に敏感です。
大統領就任以降の株価上昇はトランプさんの自慢のようですが、
さらに株価が下落するようなことがあればどうでしょう。
その場合2年をきった大統領選挙の行方を左右しかねません。
もちろんこれ以上の中国の台頭を阻止しなくてはなりませんが、
トランプさんにとっては大統領選挙のほうが、
優先順位は高いはずです。
つまり株価が下がれば下がるほど、アメリカは中国との
妥協点を見つける可能性が高いということではないでしょうか。
そしてもし米中間で当面の妥協点が見つかれば、
アメリカ株は上昇し、トランプさんの目的は
達成されることになります。
つまり
・アメリカ株の下落⇒米中妥協⇒アメリカ株の上昇
ということで、言い換えれば株価が下がるほど
株価が騰がる可能性が高まるというなんとも皮肉な構図です。
中国側も経済の失速やシャドーバンキングへの対応失敗など問題山積で、
アメリカ以上に妥協を望んでいるに違いありません。
さて今月末に予定されているG20が迫ってきました。
注目はG20そのものではなく、場外でセットされた米中首脳会合。
つまりトランプさんと習近平さんの会合です。
報道によれば、中国から既にアメリカに改善計画が提出され、
事前のすり合わせは進行しているようです。
まさか今まで積み上げてきた追加関税を撤廃することはないと思いますが、
来年以降予定されている追加関税は、先送りとなる可能性が
高いのではないかと僕は思います。
その場合アメリカ株は上昇ですし、
日本株も中国依存度が高い銘柄中心に上昇するのでは
ないでしょうか。
期待しつつ待ちたいと思います。
では今回はこのへんで。
(2018年11月21日)
■このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。
「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。 |