世界にボラティリティを撒く中国

みなさんこんにちは。

中国の人たちが悪いことをしているわけではないのですが、
それでも相変わらず世界は中国に振り回されています。

特に経済的な結びつきが強いわが国は、
その傾向が強く見られます。

たとえば一昨年、中国旅行者による爆買いによって、
デパートや高級ブランド店などずいぶん潤った業種もありましたが、
それも一時のこと・・・

爆買いが終われば、「夢のあと」です。

続いて昨年起きたのが「メーカー版の中国爆買い」です。

一気に注文するから日本のメーカー在庫が無くなる、
日本のメーカーが在庫を持っていないので、
中国側はそれを見越して先行で発注する・・・

こうやって日本のメーカーへの注文は、
実需を超えて膨らんでしまい、
日本側ではこれにこたえるために工場や設備を拡張し、
生産能力を高めた会社もありました。

そんななか起きたのが米中貿易摩擦です。

まもなく中国メーカーの爆買いは終わり、
上記のサイクルも突然終わりました。

日本のメーカーに在庫があるだったら、
注文を急ぐ必要はない、

注文を絞った結果日本側の在庫が膨らみ、それを見た中国メーカーは、
さらに注文をキャンセルする・・・

これが昨年の秋以降起きた現象で、
日本の機械メーカーや部品メーカーは、
軒並み業績の下方修正を余儀なくされました。

残ったのは過剰な設備と業績悪化の不安だけです。

『これまでの経営経験で、見たことのない落ち込みだった』

これは先日の決算発表の席上、日本電産の永守社長からでた言葉ですが、
昨年後半の中国の需要の落ち込みは、よほどひどいものだったのでしょう。

永守さんほどの経営者なら、
この逆境をバネにして、もう一段の成長が期待できると思いますが、
どの会社もそのようにゆくとは限りません。

このように考えてまいりますと、
僕などはいっそ中国特需や爆買いなど、
むしろ無い方がいいんじゃないかと思いたくなります。

もちろん中国人には、素晴らしい美質や尊敬すべきところも
たくさんありますが、
例えば熱しやすく冷めやすい気質、
たびたび見られる激しい集団行動など、
私たちが冷静に頭に入れておくべき点もあると思います。

このような中国人の気質は消費行動では爆買いになり、
企業活動で表れると大量の見込み発注や過当競争になります、
海外の不動産に向かえば、その地域の不動産価格はバブル化しますし、
株に向かえば株価の急騰です。

これらをひと括りに表現すれば、
「ボラティリティの拡散現象」といってもよく、
私たちは個人であれ企業であれ、中国への依存度を高めれば高めるほど、
この「ボラティリティ禍」に巻き込まれざるを得ません。

ここでいうボラティリティーというのは、あらゆる意味での
変動の激しさのことです、例えば日本の会社は中国依存度が
高いほど、業績の変動が激しく経営が不安定になります。

私たち個人も同様で、例えば株や投信を持っていますと、
中国発の価格変動に巻き込まれ易くなるでしょう。

私たちは個人であれ、企業であれ、
それでもなお中国依存を高めなければならないのかどうか、
冷静に考えてみたほうがいいのかもしれません。

もちろん「中国フリー」になることなど不可能ですが、
中国依存度を下げる工夫はあると思います。

逆に全て承知の上で、この中国発のボラティリティを利用して、
利益を得る方法もあります。

そのあたりについて僕は以前コラムで書いたことがあります、
興味ある方は、以下弊社「コイン専門サイト」をご覧ください。

  ↓ 弊社コイン専門サイト

https://www.antique-coin.jp/column/u-28.php

 

では今回はこのへんで。

(2019年3月7日)




 




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