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地味な低金利のお話し

みなさんこんにちは。

日本では10年国債の金利がマイナスです。

世界的にも債券全体のうち1/4がマイナス金利だそうで、
デンマークではマイナス金利の住宅ローンまであるそうです。

ふつう借りた人は貸し手に利子を払いますが、
マイナス金利になると逆で、借り手が利子をもらえます。

人からおカネを借りて、
なおかつ利息までもらえる・・・

どう考えてもこれは尋常なことではありません、
なぜこんな不思議なことが起きるのでしょうか。

最大の理由は、企業がそれほど多くのおカネを必要としなくなった
からではないでしょうか。

言い換えれば大規模な設備投資などしなくても、
経営が成り立つようになったからだと思います。

といっても設備や工場が不要になったわけではありません、
あいかわらず私たちが生きてゆくうえで、
例えば冷蔵庫やエアコン、自動車など耐久消費財は不可欠です。

でも1970年代や1980年代などに比べるとどうでしょう。

たとえば私たちが使う冷蔵庫はすでに十分な機能を持っていて、
当時のように、新しい機能を持った新製品が次々に
登場するわけではありません。

買い替えはせいぜい省エネ性能がアップしたとか、
故障して壊れたといった理由で行うもので、
私たちはそうそう冷蔵庫を買い替えるわけではありません。

たぶんエアコンも似たり寄ったりではないでしょうか。

若者はすっかり車からスマホに乗り換えてしまいましたし、
自家用車は安価な軽がやたら目立ちます、それすらも
買い替えのタイミングが随分と長くなりました。

そういえばテレビも安くなりました。

僕がまだサラリーマンをやっていたころはよく「1インチ1万円」
などと言ったものですが、今では「1インチ2000円」ほどです。

これはテレビを製造するための設備が軽くなり、
コストがそれだけ安くなったことを意味しています。

代わってもっぱら私たちがおカネを使うのは、
通信サービスや食事、旅行など形の無い物だったり、
スマホやゲームのように、大量の原材料や大規模な設備を必要としない、
超小型の電子機器やソフトウエアです。

これらをもって大規模な設備や工場が不要になったとは言いませんが、
少なくとも一昔前に比べると、その必要性が減ってきたことは
間違いないと思います。

ごく大雑把に言えば、企業が製品を造るために、
かつてほどのおカネを掛けなくてすむようになったという
ことではないでしょうか。

そしてこの傾向は今後も続き、
企業のおカネに対するニーズはさらに小さくなるに違いありません。

もしこの考えが正しければ、おカネを借りるためのコスト、
つまり金利は今後も低下し続ける可能性が高いといえるでしょう。

すくなくともアメリカ10年国債の利率が5%というような、
高い収益はもう期待できないと考えておくべきではないかと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2019年9月18日)




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