■5G需要、期待から現実へ
みなさんこんにちは。
今週、日本企業の下期の決算発表が始まりました、
今回の一番の注目は5G関連企業ではないでしょうか。
5Gに関しては以前からこのメルマガでとりあげてきましたが、
ここまではまだ期待の段階だったといえるでしょう。
通信速度、低遅延、同時に接続できる端末数、
以上3つの点で5Gは革新的で、私たち個人が使うスマホの進化
にとどまらず、ビジネスの世界も一新するといわれてきました。
5Gの特徴を生かせば、例えば自動運転やスマート倉庫、
遠隔医療や鉱山での無人採掘など、
私たちの日常生活や産業は一変します。
一方でいままでのところ5Gが実際の企業業績に結び付いたかと
いいますと、ホンの一部の例外を除きNoでした。
つまり5Gはまだ期待の段階だったわけです。
問題はこれからです。
韓国や中国ではすでに5Gスマホが発売されましたし、
アメリカでも5G通信を行うための基地局の整備が始まりました。
5G基地局とデータセンターなどを結ぶ光回線上の機器、
5G端末を開発するために必要な測定器など、
まず5Gの川上に位置する企業への実需がどの程度立ち上がっているのか。
さらに川下に位置する製品、
たとえば5Gスマホに使われる高性能半導体や、
その半導体の製造に必要な製造装置の売り上げが、
実際に立ち上がってきたのか、それともまだなのか。
今回の決算である程度の感触がつかめるのではないでしょうか。
そのような観点で、
一昨日のアンリツの決算発表に僕は注目していました。
アンリツの主力は川上に位置する測定器の製造で、
5Gの基地局や端末メーカーなどが顧客になります。
ですからアンリツの決算の良しあしによって、
実際にどの程度5G実需が立ち上がっているのかがわかるわけです。
さてそのアンリツの決算です。
結論から申し上げると大変良い内容で、
併せて2020年3月期の通期予想も上方修正してきました。
他にもアドバンテストや村田製作所、TDK、東京エレクトロンなど
の決算を見ると、5G基地局などでの川上需要が予想を超える速度で
広がっていることがわかります。
残念ながら日本には自動車産業を除き、
世界に通用する完成品メーカーはほとんどいなくなってしまいましたが、
デバイスや素材メーカーは世界で十分な存在感を維持しています。
昨年以降、激化する米中摩擦で日本株の頭は抑えられてきましたが、
いよいよ市場は「米中摩擦離れ」を始めたようにもみえます。
僕はそろそろ恒例の「2020年型のポートフォリオ」について
考え始めていますが、上記のような理由で来年の日本株には
強気の見通しを持っています。
では今回はこのへんで。
(2019年11月1日)
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