■相場の下落で身にしみる実物資産投資の大切さ
みなさんこんにちは。
ここのところ株が大荒れですね、
アメリカ株が一日で7%以上も下げるかと思えば、
翌日には半値戻しです。
変動幅が大きいだけなら我慢もできますが、
主要国の株価はピークから20%ほども下落しています。
価格の変動と価格の下落・・・
どちらも投資家の精神的なストレスを高めます。
でも価格変動と価格下落が同時に起きるのは世の常で、
リーマン・ショックやチャイナ・ショック、欧州債務危機でも
同じことが起きました。
このような状況になって参りますと、
あらためて資産の質的分散について考えざるをえません。
つまり資産の一部を貴金属、コイン、カラーストーンなど
姿かたちのある資産に移動させておくことの重要性です。
わかりやすいところでは金(Gold)です。
現在の金価格は1オンス=1650ドル近辺にありますが、
新型肺炎の感染者が急増した2月以降をみると、金の価格は
逆に上昇傾向にあります。
価格変動は多少大きくはなっていますが、
それは金の市場が以下のような特徴を持っているからでしょう。
・他の実物資産と違って市場が大きく流動性も高い点
・金はETF経由で投機の世界につながっており、
投機的なおカネが出入り安い点
それでも値動きという点で見れば、
明らかに株価と違った動きをしており、
十分な分散効果を持っているといってよいでしょう。
ではほかの実物資産は直近どのような値動きをしている
のでしょう。
まずは不動産です。
例えば東京都内のワンルームマンションの
値動きはどうでしょう。
金と違い、
またほかの実物資産と同様、
短期の値動きを知ることは容易ではありませんが、
それでも一般投資家の行動をみれば、
なんとなく推測は可能です。
弊社のお客様からのご相談内容もみても
不動産投資へのスタンスは相変わらず活発ですし、
同業者や不動産業界の方と意見交換しても、
不動産投資に対する一般投資家の行動に変化は見られません。
このような投資家の姿勢から推測して、
おそらく新型肺炎ショック以降の不動産相場は、
変化していないとみてよいでしょう。
対照的なのはREITです。
最終的な投資対象をたどればマンションやホテル、
あるいはオフォスビルといった実物不動産に行き着きますが、
REITの値動きは現物の不動産と違って大荒れです。
このあたりをみると流動性の高さというREITの長所が、
逆に欠点になっているとも言えるでしょう、
皮肉なものです・・・。
逆もまた真なり、流動性の低さいという現物資産の欠点が、
このような環境では長所にもなりえるということでしょう。
ではほかの実物資産はどうでしょう。
たとえばアンティーク・コインです。
コインも不動産と同様リアルタイムで値動きを追えませんが、
国内外で随時開かれるオークションの落札値をみれば、
ある程度の推測はできます。
つい先週も都内でコインオークションが開かれましたが、
特段相場が崩れたということもなく、かといって逆に急騰した
ということもなく、いたって平穏のうちに終了しています。
海外オークションの結果や経過をみても、
同様の傾向です。
最後にカラーストーンも見ておきましょう、
宝石オークションの開催頻度はコインよりやや少なく、
リアルタイムで相場を追うことは困難ですが、
それでもリーマン・ショックやチャイナ・ショックなど
過去の相場混乱期と同様、僕の体感では無風状態です。
以上のように、貴金属にしろ、コインや石にしろ、
実物資産は株の世界から隔離されており、
私たちはそのことによる恩恵を受けているといえるでしょう。
そして私たちは実物資産の保有による精神的な余裕から、
株の急落時にも株を持ち続けることができます。
それが株式の長期保有につながり、その結果、
長期的な運用成果が向上しているのだと思います。
このようなことから、平時における資産の質的分散が、
私たちにとって必要な投資行動だというとがわかります。
では今回はこのへんで。
(2020年3月11日)
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