ホーム > T's資産運用コラム > コロナショックのあとを考える
コロナショックのあとを考える

みなさんこんにちは。

過去を振り返りますと、
経済的なショックはたびたび社会を変えるきっかけになってきました。

たとえばわが国で1980年代の終盤に起きたバブルの崩壊です。

それまで絶好調だった日本の経済は、
この出来事のあと変容し、
30年にも及ぶ国力の低下トレンドに入ってしまいました。

リーマン・ショックも同様です。

財政的に余裕があった中国は、
大規模な景気刺激策で世界から称賛され、
それ以降世界覇権の道を進みました。

2012年に始まったギリシャ債務危機が転機となり、
ヨーロッパの地盤沈下は顕著になりましたし、
2001年アメリカで起きた同時多発テロを境にして、
アメリカ一強にも陰りが見え始めたように思います。

では今回のコロナショックのあとに、
どのような世界が訪れるのでしょうか。

まず考えておきたいのは、
国家に対する信頼感の低下です。

国家という言葉を通貨に置き換えて
よいかもしれません。

アメリカを筆頭に世界の各国がいま、
大規模な財政出動に向かって動き始めました。

当然ながらその財源は借金です。

ですから先進諸国の中央銀行は、
再び紙幣の大量印刷モードに入らざるをえません。

ようやく「国債増発⇒紙幣の大量供給」が峠を越えたと思ったら、
2年ほどでリーマン・ショック時以上の規模で再開です。

何年かごとに発生する危機対策としてこれを繰り返すなら、
いったいいつになればこのスパイラルから抜け出すことができるのでしょう。

その結果、世界でえんえんと通貨の供給量は増え、
その反対側にある国の財政赤字も拡大します。

今回のショックはいずれ治まるでしょうが、
そのあとに残るのはいったい何なのでしょう。

おそらくは各国の財政赤字と、
異常に膨らんだ紙幣だけが残ることになるでしょう。

その結果、もしかしたら私たちはリブラのように、
民間の企業が発行するデジタル通貨への相対的な信頼感を
高めるようになるのかもしれません。

民間のデジタル通貨は、米ドルや日本円などと違い、
国家の都合や思惑によって増刷されることはありません。

少なくともその点では、よほど危機後の私たちにとって、
安全な通貨に見えるのではないでしょうか。

あるいは僕が以前から申し上げているように、
実物資産への選好がさらに進むかもしれません。

つまり貴金属やコインや宝飾品などが通貨的性格を帯び始め、
そこに徐々に資金が流入するという構図です。

広い意味で不動産も同様の理由で買われるのかもしれません。

今回のショックはいずれ終息するのでしょうが、
そのあとに残るものは何なのか・・・

今から考えておくべきではないかと僕は思います。

 

では今回はこのへんで。

(2020年3月24日)




このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。

「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。

【購読登録】 メールアドレスご入力ください :
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
totop