■コロナ後に起きることを二つ
みなさんこんにちは。
この感染症がいつ終息に向かうのか、
僕には医学の知識がないので予想することはできません。
でもコロナ後に日本経済や、
社会がどのように変容するのか・・・
この点についてはある程度の予想はできるつもりでおります。
今回はコロナ後の日本ついて予想できることを2つ挙げ、
思いつくまでお話ししたいと思います。
まずは働き方の変化です。
日本人は仕事の効率が悪いとよく言われてきました。
カイシャでは会議や朝礼、転勤や残業、休日出勤など
当たり前のようにやってきました。
確かにそれが日本特有の共同体意識や連帯感など
生んできましたが、昨今のように外国企業との競争になかなか勝てない
現状をみますと、やはりこの日本特有の働き方が、
マイナスに作用していると考えざるをえません。
すでに数年前からカイシャはその点に気づいており、
さまざまな悪弊の改善に取り組んできましたが、
なかなか変われないのが実情だといえるでしょう。
今回の問題で在宅勤務や時差出勤が一般化し、
残業や休出などは急減いたしました。
おそらくコロナ後も、意味のない転勤や長時間会議、
朝礼なども減ってゆくでしょう。
そこにタイミングよく5G化の波です。
伝送路の高速化により
動画の遅延はなくなり、
音声の品質もあがるでしょう。
同時に接続できる端末の増加により
自宅やリモートオフィスでも、
多数のネットワーク端末が接続できるようになります。
もちろん対面でしかできないこともありますが、
少なくとも何割かの仕事は自宅やリモートオフィスで
できるようになるはずです、しかもストレスなく。
その結果、まず企業からみると、
残業代や休日出勤手当の支払いは減るはずです。
また転勤が減ることによって、
会社は引っ越し費用の負担が減りますし、
単身者手当や住宅補助なども減るでしょう。
浮いたお金の一部は従業員にも分配されるでしょう。
一方で従業員にからみれば拘束時間が減り、
空いた時間で副業を営み収入を得ることができます。
収入の増加は消費を増やし、
国内企業の収益拡大に貢献するでしょう。
長らく生産性の低さから従業員の賃金は低く抑えられてきましたが、
ようやく逆回転の始まりです。
確かにコロナは私たちに厳しい試練を与えていますが
それだけで終わってしまえばあまりに悲しすぎます。
コロナ後に新しい世界が待っているという希望を、
もっておきたいものです。
逆に一つ悲しい見通しもあります。
いま世界のアチコチの国で、政府や中央銀行による
財政の出動が打ち出されています。
それを可能にするのは中央銀行という政府の別動隊が持っている、
通貨発行権という打ち出の小づちです。
新型コロナはいずれ終息に向かうでしょうし、
そのあと世界の経済は回復に向かうでしょう。
でもいくつかの懸念を持たざるをえません。
一つ目は過剰な流動性の供給による、
貨幣価値の希薄化です。
つまり一万円札を刷り過ぎた結果、
一万円札一枚当たりの価値が下がってしまうという不安です。
いかえれば現預金の相対的な価値の低下と、
その反対側にある資産インフレです。
二つ目の心配ごとは財政の悪化です。
すでにわが国の財政はご存じのように厳しい状態ですが、
今回また39.5兆円にもおよぶ財政支出を決めました。
コロナ後に、よほど税収が増えるという見通しがあれば
問題はありませんが、今回の対策はあくまで経済の崩壊を
防ぐためのもので、これによって税収が拡大するという
性格のものではありません。
このような点から、
コロナ後わが国財政に対する不安はさらに高まると
考えざるをえず、私たちはこの問題に対して無防備でいる
ことはできません。
では今回はこのへんで。
(2020年4月16日)
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