ホーム > T's資産運用コラム > 大丈夫か?日本
大丈夫か?日本

最寄りの法務局に行って、
いま帰ってきました。

ある役所あてに事務所の住所変更を申請するのを忘れていて、
督促を受けてしまったのです。

住所変更には「全部履歴証明書」という公的書面が必要で、
それをとるために法務局に行かなければなりません、
しかも今回は同じものを3通出すようと言われました。

コロナなのに法務局は結構混んでいて、
行きかえり時間をあわせて1時間半ほどかかりました。

法務局で列に並びながら僕は考えました。

「コロナで大変な時になぜこんな列に並んでいるんだろう?
ネット経由でダウンロードしてOKとはゆかないんだろうか?」

たぶん10人いれば10人とも考えると思いますが、
列に並びながら僕も考えてしまいました。

なぜいまだに原本を出す必要があるんだろうか、
しかも3通も・・・
「全部履歴証明書」はすでにデータ化されているんだから、
オンラインで取り寄せてそのまま送ることはできないだろうか。

皆さんもアチコチでお役所仕事の疑問をお感じでは
ないでしょうか。

他に最近疑問を持つのは印鑑証明です。

そもそも印鑑という制度があるのは日本だけだと思います、
逆に言えば他の国は印鑑証明などないはずですが、
だからといって行政が滞っているわけではありません。

なぜ日本でこんな不思議な制度が残っていて、
私たちは御上が命じるままに印鑑証明書をとってきて、
まいどまいど書類に添付して差し出しているのでしょう。

日本企業の生産性が低いのも、
生産性の低さからくる賃金の低迷も、

この公的部門の効率の悪さが要因の一つであることは、
間違いありません。

なぜなら民間の企業は多かれ少なかれ公的部門と業務上の接点があり、
その都度時間や労力を無駄に消費しているからです。

さっき僕が法務局に出向いたのもその一例です。

でもわが国の生産性の低さ全てを、
官のせいにするわけにはゆきません。

たとえば僕は先日こんな経験をしました。

娘の学費を銀行口座から自動引き落としにするために、
学校側から「預金口座振替申込書」の提出を求められたのですが、
その書類は銀行の窓口まで出向き、所定欄に銀行側の印鑑をもらって
こなくてはなりません。

学費の引き落としだけではなく、
一定額を口座から引き落としてもらうためには、
この書面の提出を求められることになります。

はたして本当にこのような作業が必要なのでしょうか?

銀行のサイトにアクセスしたり、
自分が持っている口座のサイトで、
預金口座振替処理の手続きはできないのでしょうか?

銀行ばかりイチャモンをつけていると叱られそうなので、
あるメーカーのお話しもしておきましょう。

こっちは逆に効率化が進んだ会社で、
弊社のあるお客さんがかつて勤めていた会社です。

あるときその方は日本の大手メーカーの社員と一緒に、
アメリカに出張することになったそうです。

その方の会社では上司の承認印は一つでOKだったそうですが、
一緒に行った大手メーカーでは5つも承認印が必要だったそうです。

稟議を上げるのも時間と手間がかかりますが、
承認する側も日々上がってくる稟議を読み、
承認しなくてはなりません。

一事が万事、
神は細部に宿るともいいます。

きっとそんなムダな時間の使い方をしているから、
生産性が上がらないのでしょう。

日本の生産性が低い理由のうち大きな部分は、
このような形式主義、前例主義からくる効率の悪さに
起因しているのは間違いなと僕は思います。

そういえば僕もサラリーマン時代は、
よく稟議書を書いたものです。

効率が悪いから生産性が低い、
生産性が低いから賃金が上がらない、
賃金が上がらないから物価も上がらないし税収も増えない

そして最後は

税収が増えないのに高齢化が進むので財政赤字が膨らむ。

ここに行き着いてしまいます。

ここのところのコロナ財政で、
いやがうえにも国の財政に対する不安は高まりますが、
最終的には上記のような流れの起点、
すなわちこの社会にはびこる形式主義、前例主義を改め、
人と時間を無駄なく使う社会を造ってゆくしかないように思います。

もし社会全体が変わらないのなら、
せめてそのような会社を国の内外から探し出し、
その会社の一部を所有するしかありません。

いわゆる株式投資というやつです。

ちなみに先ほどの承認印1つの会社は、
その後も業績が急拡大しています。

 

では今回はこのへんで。

(2020年7月8日)




このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。

「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。

【購読登録】 メールアドレスご入力ください :
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
totop