■アメリカ国債を買うタイミング
みなさんこんにちは。
ここのところアメリカの長期金利が上がっていますね、
昨日は10年債の利率が1.7%を超えました。
多くの読者はアメリカの長期金利と聞いても、
どこか縁遠い世界の出来事だとお思いかもしれませんが、
決してそんなことはありません。
アメリカの長期債はミドルリスク・ミドルリターンの
標準的な金融商品で、先々週のメルマガでお伝えしたように
株価や商品相場にも大きな影響を与えます。
そればかりではありません。
私たちもアメリカ国債を直接買うことができますので、
長期債の金利上昇は、私たちの資産運用も大きな影響を
受けるのです。
一方で世界を見渡すと、
ヨーロッパにしろ日本にしろ、
債券の保有によって利息を得るのは至難です。
なぜならば世界的にゼロ金利(もしくはマイナス金利)が定着し、
たとえば10年債に投資しても、えられる利息は
ホンのわずかだからです。
ご参考までに日本の10年国債の利回りは0.11%ほど(2021.3.19現在)
しかありません、1000万円投資しても、えられる利息は毎年
11.000円しかありません。
一方で日本はじめ先進諸国の財政状態はご存じのような状態で、
どう考えてもリスクとリターンがバランスしているようにはみえません。
なのであるいみ国債への投資は、
私たの選択肢にはならないといってよいでしょう。
そのようなタイミングでの米国金利の急上昇です。
利率0.11%なら投資する気になりませんが、
1.7%ならどうでしょう。
1000万円の投資に対し、
毎年の利息は17万円です。
決して満足できる数字ではありませんが、
それでも日本国債10年物の11,000円に比べると
随分とマシです。
それだけではありません、文字数の関係で
今回は詳しく説明することはできませんが、
債券の価格と金利はコインの裏表の関係にあります。
つまり足元のように金利が上がると、
債券の価格は下がるということです。
たとえば昨年末あたり、
アメリカの10年債金利は0.6%ほどしかありませんでしたが、
その時点で皆さんが10年債を1000万円仕込んでいたら、
どうだったでしょう。
その場合、
皆さんは二重にソンをしていたことになります。
一つ目は毎年もらえる利子のソンです、
債券は購入した時点の金利が満期まで適用されます、
ですから皆さんが得られる利息の合計は、
60万円(税引き前)となっていたはずです。
・1000万円×0.6%×10年=60万円
これに対し、
今の金利水準(年利1.7%)で10年債を
1000万円ぶん買えばどうでしょう。
皆さんが満期までにもらえる利息の合計は170万円となり、
さきほどのケースと比べ110万円のトクです。
・1000万円×1.7%×10年=170万円
・170万円−60万円=110万円
二つ目のソンは債券本体でのマイナスです。
先ほども申しましたように、
金利と債券価格はコインの裏表です、
ですから金利が上がると債券の価格は下がります。
ですから一つ目のソン、すなわち受け取る利息の減少に加え、
高値掴みした債券本体の価格の下落によっても、
二重にソンしたことになるのです。
このようなことから債券の購入時期、
とくに私たちの資産運用にとって大きなウエイトを占める
米国の長期金利の動向は、すごく大切なことがわかります。
ではその米国長期債ですが、
いったいいつ買い出動すればよいのでしょう。
上記のようにできるだけ金利が上がるのを待って買いたい
ところですが、あまり待ちすぎると好機を逸する
ことになりかねません。
ではどのあたりを目安にすればよいのでしょう。
米国の10年債金利の推移を遡りますと、
たとえば2019年の終盤は3%超えていました。
その後コロナショックなどもあり、
昨年の春先は0.5%台まで下げましたが、
今年に入って0.6%台→1.7%まで急反発です。
アメリカでは1.9兆ドルの景気対策が議会を通過しましたし、
ワクチン接種が進みコロナ感染者も急速に減ってゆくと予想できます。
その結果、春から夏場にかけ、
アメリカの景気は過熱感を帯びてくるのではないかと
僕は思います。
金利は今後さらに上昇の余地があり、
感覚的ではありますが、2012年から2019年にかけての
平均的なレンジである2%〜3%程度あたり。
ピンポイントで申し上げるなら2.5%が目安では
ないかと思います。
では私たちはどうすればアメリカの長期債を
賢く買うことができるのでしょう。
この続きは次回お話ししたいと思います。
では今回はこのへんで。
(2021年3月19日)
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