■問題だらけの中国とアジアコインオークション
みなさんこんにちは。
僕が子供のころ、
中国は本当に小さな国でした。
大学生のころ、
確か1982年だったと思います、
友達数人とひと月ほど中国放浪の旅をしたことがありました。
国民は貧しく、街は汚いしご飯はまずい、
列車で買った弁当の白飯に麦わらのようなものが混じっているのには閉口しました、
何度もその麦わらを吐き出しながらご飯を食べるしかありません。
そういえば夜行列車のデッキで飲んだ赤ワインは、
甘ったるくて漢方薬の味がしました。
そしてどこに行くにも人民服に人民帽です。
僕らのような外人が珍しいらしく、
街をあるくとゾロゾロとついてこられました。
それも昼間っからです、
街にはそれほど暇を持てあます人たちがあふれていて、
彼らは何をするでもなく日がな一日おしゃべりをしたり、
街角で囲碁や将棋のようなものに興じたりしていました。
当時僕たちは「これじゃあいつまでたっても貧しいままだよね」
などと言っていたものです。
あれから40年、
今ではその中国に完全に抜かれてしまいました。
そしてさらに「中国の夢」です。
大げさに言えば、
アヘン戦争以来180年も屈辱的な地位に甘んじてきただけに、
中国人の欧米や日本に対する敵愾心は、私たちの想像を
超えてるのだと思います。
ようやく大国と呼ばれる経済力を手に入れた今、
その先、すなわち世界の覇権を目指すのは、
中国にとってはごく自然な流れなのかもしれません。
なにしろそれがアヘン戦争以前の定位置なのですから。
ただし、ここまで来るのに随分と無理をしすぎたようで、
さまざまな問題を国内外に抱え込んでしまったように見えます。
欧米の経済に追いつくため国有企業を優遇しすぎた結果、
その肥大化や非効率を招いてしまったようです。
しかもテクノロジーの面で日米欧にキャッチアップした今、
以前のような外国企業のパクリはできません、しかも国有企業の
債務拡大もどこかで限界を迎えるしかなさそうです。
少子化と高齢化も頭の痛い問題です。
一人っ子政策をやめても、
国民は将来を悲観して子供を産みたがりません。
急速に高齢化が進むなか、
いまだ十分とは言えない社会保険制度を、
どうやって充実させてゆくつもりなのでしょう。
中国の歴代王朝を振り返りますと、
国家の崩壊は例外なく他民族による侵攻か、
不満を募らせた人民の蜂起によって起きています。
今後国民の不満レベルが高まるようなことがあれば、
共産党帝国の基盤も危うくなるかもしれません。
貧富の差の拡大も今後大きな問題になると思います。
お隣さんのことを言えた義理ではありませんが、
どうやら中国の格差拡大はわが国の比ではないようです。
皮肉にも共産党政権のもとで拡大する貧富の格差、
経済の高成長が続いている間はこの矛盾が覆い隠せたとしても、
いすれ経済は成熟いたします。
低成長時代を迎え顕在化するであろうこの矛盾に対し、
中国はどのようにして折り合いをつけるのでしょう。
4つ目の問題は世界での孤立です。
あまりに急速かつ露骨に覇権を目指し、
中国は無理をしすぎたのではないでしょうか。
牛の舌のように長ったらしい線を勝手に海の上に引き、
沿岸国のひんしゅくを買いましたが、約束を破ってまで
建設した軍事施設の損得勘定はあうのでしょうか。
そしては抵抗する国には嫌がらせです。
サーモンやババナ、パイナップルに鉄鉱石、
輸入を止めてもお客さんは中国だけではありません、
かえって国際的な中国包囲網の構築を強めるだけで、
利巧なやり方だとは思えません。
この4年間はアメリカが一国主義に陥っていたため、
このような露骨かつ単純な手法が有効だった面もありましたが、
これからは今までのようにはゆかないでしょう。
すでに半導体や5G関連機器で中国包囲ができつつあるように、
これ以上の覇権主義は孤立を深めるだけではないでしょうか。
以上みたきたように、
中国は内にも外にも多難な時代にはいったと思います。
中国の人たちは元来は思慮深く、
損得勘定に長けた国民だと思います。
このあたりでむやみな覇権狙いをやめ、
普通の国になってくれるといいのですが。
そういえば先日香港で開かれたコインオークションで、
中国マネーや香港マネーは活発に動いていました、
今まで以上に。
小さな兆候ではありますが、
もしかしたら何事かを暗示しているのかもしれません。
では今回はこのへんで。
(2021年4月8日)
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