■チャイナ富裕層マネーの行き先と私たちの資産運用
みなさんこんにちは。
前回のメルマガで僕は、
・中国では想定以上の速度で少子高齢化が進んでいる
・その結果、近い将来同国の経済は停滞期に入る可能性が高い
・国民はすでに自国の経済停滞に対し懸念を持ち始めているように見える
こんなお話をさせて頂きました。
経済に敏感な中国の富裕層は、
すでに具体的な対策をとりつつあるようにみえます。
たとえば今のうちにおカネを国外に移しておこうとする動きです。
でも中国では人民元⇒外貨への両替が一人当たり年5万ドルまでに
制限されていますし、個人による海外への現金送金も、
年1万ドルまでの制限付きです。
しかも中国の国民は外国株への投資が制限されており(注)、
投資先は上海や深セン市場に上場している中国企業に限られています。
注)中国国内の機関投資家はQDII制度のもと、
一定の要件を満たした場合のみ海外証券への投資を認められていますが、
中国の国民が直接海外の株式を購入することは認められていません。
言い換えれば当局の目が届きやすい海外送金や
証券投資といったペーパアセットの世界では、
海外におカネを移動することは難しいといってよいでしょう。
これに対し当局の目が行き届かないのは実物資産です。
たとえばコロナ前に中国人が、都内のワンルームマンションを
盛んに買っていましたが、その決済手段の大半は現金だったと
ききます。
中国からおカネを持ち出す方法は様々だそうですが、
家族や知人が小分けにして現金を持ち出したり(注)、
日本にある中国法人を使ったり、
違法なものから適法なものまでさまざまな方法があるとききます。
注)海外渡航者は、一回当たり5,000ドルまでなら
携行証明書なしで現金を持ち出せます。
香港で開かれるオークションで、
実物資産に投資するという方法もあるようですね。
先日NHKのある番組で、中国人富裕層による
日本のウィスキー購入の話題がとりあげられていましたが、
どうやら中国人にとっては日本のウィスキーすらも、
実物資産投資の対象になり始めたようです。
香港は世界的なオークションの拠点ですので、
香港までおカネを持ち出すことができれば、
たいがいの実物資産は買うことができます。
宝飾品や美術品、
アンティークコインに宝石、
ペーパーアセットと違いこれらには登記という制度がありませんし、
さして保管場所もいりません。
近年世界的に進む実物資産相場の高騰の背景には、
各国中央銀行による紙幣の大量印刷もあると思いますが、
上記のようなルートで流れ込む中国富裕層マネーも、
一役かっていると僕は思います。
以前から僕はこのメルマガで、
中国人が好む資産の先回り買いを推奨してまいりました。
上記のような中国富裕層マネーの流れを考えますと、
これからもその効果はますます高まってゆくのではないでしょうか。
では今回はこのへんで。
(2021年5月27日)
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